【凡人から超人へ!】相撲レスラー日下尚 グレコ40年ぶりの金へ 大関・琴櫻から指導&名前の由来はあの金メダリスト
「かけっこも女の子に負けちゃうし、身体能力は凡人かそれ以下なんですよ」 屈託のない笑顔で話すのはレスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級の日下尚選手。上半身のみが攻撃範囲となるグレコローマンで日本男子40年ぶりの五輪金メダル獲得を狙う23歳です。 【画像】日下尚選手と同じく8月6日が試合初日の須﨑優衣選手は『1番』へのこだわりが強い! 香川県出身、パワーの源はうどんだという日下選手は2023年の世界選手権で3位になると、今年4月のアジア選手権では世界選手権王者を破り優勝。現在、世界ランキングは堂々の1位、金メダル最有力とも言われています。
■凡人だから「人が寝ている時も練習」
競技人生は順風…かと思いきや、決してエリート街道を歩んできたわけではありません。「3歳からレスリングを始めたんですけど、初めは全く結果を出せなかったし、高校の国体は1回戦で負けてしまって…。日本体育大学に入学した時も、周りの同期を見て『すごいところに入ってきてしまったな』と。自分の中では常に雑草魂を持ち続けています」
だからこそ、日下選手が意識してきたのは"誰よりも努力すること"。「全体練習で頑張るのは当たり前なので、それ以外のところでやるのが自分の考え。人が寝ている時も練習したり、昼休憩の時も監督にマンツーマンで練習を見てもらったり。1回でめちゃくちゃやらなくてもいいから、その積み重ねをずっと継続してやってきました」 自らを"凡人"と称するからこそ人一倍練習を重ね、現在の地位を築き上げたのです。
■海外選手がイラつく相撲スタイル 大関から指導
そんな日下選手のプレースタイルは小学生の時に始めた相撲にルーツがあります。「相撲のように場外に相手を押し出して1点を取る。レスリングも相手と接触するので、相手のバランスや足の位置とか本当に相撲と通ずる部分があります」
グレコローマンスタイルは豪快な投げ技の飛び交いが魅力の1つですが、日下選手は「身体能力が高くないから派手に投げたりトリッキーなことだったりはできない。すり足と四股は自分の足腰の土台となっているので、ひたすら相撲を生かした前に出るレスリングを大切にしています」と唯一無二のスタイルを貫きます。