泉芳朗の功績たたえ集う 奄美の「復帰運動の父」 故郷、徳之島で歴史継承
鹿児島県奄美群島の「復帰運動の父」泉芳朗の出身地、徳之島で復帰の功績を後世へつなごう―。民間団体が企画した「徳之島 群島民のつどい」が25日、伊仙町伊仙の義名山公園にある泉芳朗頌徳(しょうとく)記念像前で開かれた。行政関係者や地域住民ら約50人が集まり、「日本復帰祈願の歌」を斉唱し、献花をして泉芳朗の功績や復帰運動の歴史に思いをはせた。 「泉芳朗先生を偲ぶ会」(楠田哲久代表)が主催。復帰記念行事は毎年、奄美市名瀬のおがみ山などを中心に行われているが、復帰運動の中心人物であった泉の故郷、徳之島でもその功績を継承したいと楠田代表が企画した。 会場には泉のおいの泉宏比古さん(66)も参加。「芳朗が伊仙町出身であることを知らない人が増えている。きょうをきっかけに徳之島全体で芳朗のことを考えてもらえたら」とあいさつした。 参加者は「断食悲願」の詩や「島」という詩を全員で朗読。泉との思い出を振り返り、泉の功績をしのびながら「幼少期に日の丸の旗を振ってはだしで歩いた」「校長時代の泉の部下だった恩師から泉の功績をいつも聞いた」「伊仙町から偉大なリーダーが出たことが誇り」と語りあった。 伊仙町の松本美江子さん(81)は「小学生の時は復帰の意味も分かっていなかったが当時を懐かしく思い出した。今の暮らしは当時の先輩方のおかげ。歴史を忘れないようにしないといけない」と話した。 楠田代表は「復帰運動は群島民で成しえたこと。奄美大島だけでなく他の島でも皆でこの日の意義を語り継いでいきたい」と語った。