北海道農業 担い手不足どう解消?
今週のけいナビは、北海道農業の担い手不足問題について考える。番組MCの杉村太蔵さんが今回訪れたのは、岩見沢市栗沢町にあるワイン畑浦本というワイナリー。就農3年目の浦本忠幸さん(34)が手掛けている。 大学卒業後に札幌のワイナリーで修業を積んだ浦本さん。自己資金と借り入れで集めた約4000万円を元手に、3ヘクタールの畑と醸造設備を手にした。ワインの原料となるソーヴィニヨン・ブランなど数種類のブドウを栽培する。 まだ3年目のため、自ら手掛けたブドウを使ったワイン造りはできていないが、ブドウが順調に実った後は、年間1000万円ほどを売り上げられると見込んでいる。現在は、ほかの生産者が作ったブドウを原料に醸造し販売している。 始める前は「良いブドウを使って良いワインを造ればおのずと売れる」と考えていたが、3年がたった今は、いくら良い物ができたとしても売り先がなければ経営は成り立たないと感じている。
浦本さんの挑戦はこれからが正念場。「地元の人が一番おいしいと言ってくれるようなワイン」を目指しながら、販路開拓に力を入れる。 北海道内で新規就農を目指す人は年々減っているが、希望をもって取り組む人が途絶えたわけではない。富良野市でトマト農家を目指す神田励耶さんもそんなひとりだ。 神田さんは元は道の職員で、農地整備事業の監督員だった。退職後妻の諒子さんとともに富良野に来た。100万円を上限とした貸付制度や栽培用ハウスを5年間無償でリースするといった市の支援施策が充実していることから、研修先に選んだ。 夫婦は、市と研修先の農家からの給料、国からの支援金で生活する。神田さんは、新規就農を目指す若い人に向けて「資金面の心配はあまりしなくていい。やる気さえあればなんとかやっていける」とエールを送る。愛知県出身の諒子さんは、「農業がやりたいと思って北海道にやってきた。今の環境には非常に満足している」と話す。