相次ぐ住宅火災 逃げ遅れた時の対応策 煙を吸い込まないためのポイント
メ~テレ(名古屋テレビ)
愛知県の防災教育センターで、煙で充満した通路の中を安全に避難する方法を体験。そこから見えてきた逃げ遅れた際の対応策は? 12月に入り、愛知県でも火災が相次いでいます。1日には小牧市、大口町など各地で火災が発生。さらに5日には瀬戸市で住宅2棟が全焼し、3人が死亡しました。 警察と消防によると、コンセントや電化製品などから出火する電気火災が原因だとみられることが分かっています。 件数でみると夏と冬で大きな差はないといいますが、冬は火災の規模が大きくなりやすく、より注意が必要だといいます。 「これからは空気が乾燥して風の強い季節に入る。近隣に拡大する恐れがありますので、そういうところに注意してもらいたい」(愛知県消防学校 鏡味光廣さん) 住宅火災で死亡する原因の半数ほどを占めるのが「逃げ遅れ」です。 「逃げ遅れというのは、煙を吸い込んで亡くなる方がほとんどです。煙には一酸化炭素という有毒なガスが含まれていて、その煙を吸うとめまいがしたり、吐き気がしたり、やがて意識がなくなり動けなくなるというということで逃げ遅れが多く発生しております」(鏡味さん)
“低い姿勢”で避難
消防庁がまとめたデータによると、火災による死因で最も多いのがやけど。次いで一酸化炭素による中毒・窒息となっています。 逃げ遅れた際に最も重要になってくるのは、煙を吸い込まないことです。 今回特別に煙が充満した住宅内を再現してもらい、どのように逃げたらいいのか教えてもらいました。 「煙は上の方へ上がっていくので、下の方は少し見やすくなっている。できるだけ低い姿勢で煙を吸い込まないように、ハンカチがあればハンカチで口と鼻を押さえてもらう。なければ服などで押さえてもらえれば」(鏡味さん) 立った状態と座った状態で比べてみると、煙の濃度の違いがはっきり分かります。 体を低くし、壁などに手を添えながら歩くことがポイントだといいます。 導線を考えて家具などを設置することや、夜間に備え懐中電灯を枕元に置くこと、そして日ごろから避難の経路を確認しておくことも大切だといいます。
住宅用火災報知器の設置を
そして逃げ遅れないための、最も重要な対策がーー 「逃げ遅れをなくすには住宅用火災警報器の設置が必須。住宅用警報器を付けるのが一番だと思う」(鏡味さん) 名古屋市では寝室、台所、階段の天井などに設置義務があります。いざというときに作動するよう、定期的な点検も忘れないようにすることが大切です。 また、火事を起こさないためにも冬に活躍するストーブの使い方に注意してほしいと話します。 「ストーブの周りに燃えやすいものを置かない。ストーブの上で洗濯物を干したりする人がいるので、そういうことは絶対にしないでください」(鏡味さん)