【MotoGP】タイヤへの批判にミシュランもブチ切れ? 「根拠のない批判ばかり。タイヤのせいにするのは簡単だ」と反論
現在MotoGPの最高峰クラスにタイヤを供給しているミシュラン。2023年シーズンは終盤のタイトル争いのさなかに品質面で批判されることがあったが、責任者はそうした声に反論を展開した。 【動画】F1ドライバーにMotoGPライダー……世界のホンダがもてぎに集結! ホンダ・レーシング・サンクスデー2023 2023年シーズンに、特にミシュランが批判を受けたのはタイトル争いを演じているホルヘ・マルティン(プラマック)からだった。マルティンはカタールGPのスプリントで勝利したにもかかわらず、決勝では完走したレースの中ではワーストとなる10位に終わった。最終戦バレンシアGPに向けて不利な状況となってしまったマルティンはカタールでのレースを振り返り、リヤタイヤがまるで石のようなフィーリングだったとして、ミシュランにはタイトルを“盗まれた”と痛烈に批判していた。 ミシュランは当初から製造過程に問題はなかったと主張していたが、ミシュランのモータースポーツ責任者であるピエロ・タラマッソは、シーズン終了後に改めてタイヤの品質に対するライダーからの批判に反論を展開した。 「静かなシーズンが、波乱の形で終わってしまったというのは事実だろう」と、たらマッソはイタリア紙Gazzetta dello Sportに語った。 「様々な要素がこの状況を招いたと思う。それはタイトル争いのストレスだったり、ライダーズマーケットの状況だったり、タイヤ内圧に関するルール、緊張を高めるスプリントレースの存在などがあるだろう。そしてカタールで、ホルヘのパフォーマンスは期待とは一致せず、それが議論を引き起こした」 「(マルティンの)最初の7周目あたりは許容範囲で、4~7周目はバニャイヤと同じタイムも記録されている。彼はスタートに失敗したが、ポジションを3~4つ上げているんだ。これはタイヤが機能していないなら、できることではない。残りのラップはレースの状況によるし、リヤとフロントの劣化により、1周1秒遅れて走ることになったんだ」 「我々は製造用の機械をチェックしたし、その品質や輸送状況も確認し、タイヤが以前ウォーマーが使われたかもチェックした。そして、製造や品質上の問題はなかった」 タラマッソはミシュランのタイヤ製造工程が“完璧”を目指しつつも、製造プロセスには“バラつき”が発生する可能性もあると認めている。しかしレースで生み出される差は最大でも0.1秒や0.2秒であると主張。品質に問題が存在するという憶測は「事実ではない」と反論した。 「ライダーやエンジニア、報道陣の皆さんにはぜひフランスに来て、タイヤがどうやって製造されているかを見ていただきたい。我々は最大限の品質管理を行ない、タイヤが機能することを保証するため、最大限の努力を行なっている。こうした悪評などは望むところではない」 「多くの場合、批判は根拠のないもので、陰謀論や悪いタイヤを意図的に供給しただろうとか……非常に馬鹿げた話になっている。タイヤを批判するのはとても簡単な言い訳なんだ。様々な記録には誰も気を向けないのは残念なことだし、カタールやバレンシアの新しい路面に持ち込まれたタイヤも適切なものだった。良い結果でも、誰も気にしていないんだ」
Vincent Lalanne-Sicaud