計量をクリアしポーズを決める中谷（撮影・滝沢徹郎）

　プロボクシングWBC世界バンタム級王者の中谷潤人（26＝M・T）が、ライバル王者の試合を「シャットアウト」して自らの防衛戦に集中する。 　14日に東京・有明アリーナで同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ（30＝タイ）との2度目防衛戦を控え、13日は東京ドームホテルで前日計量に出席。リミット（53・5キロ）よりも、300グラム少ない53・2キロでパスしたペッチに対し、中谷は100グラム少ない53・4キロでクリア。計量後のフェースオフ（にらみ合い）は20秒間となったものの「どこで終わって良いのか分からなかった。JBC（日本ボクシングコミッション）の人が止めてくれたので。何も考えていなかった。（相手の）体格もあまり見ていない」とリラックスした表情を浮かべた。 　減量は順調だったが「多少、体が大きくなって若干は厳しかったですけど、しっかりと落とせた。パフォーマンスにつなげたい」と強調。試合当日のリングには58キロ台を目安に増量するとし、「親友」で同じ日に初防衛戦を控えるWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ（25＝米国／帝拳）とともにうなぎとおにぎりで空腹のおなかを満たすと口にした。中谷は「試合当日はオムライスを食べます。（試合当日に体が）大きくなったら大きくなったで、その時のコンディションがあるので」と調子の良さをうかがわせた。 　13日夜にはライバル王者となるWBA世界同級王者井上拓真（28＝大橋）が同級2位堤聖也（28＝角海老宝石）との3度目防衛戦を控える。試合前夜でもあるため「リカバリーに集中します。この段階だと自分の試合がもう待っている。そこに向けて100％を発揮できるように考えていかないといけない。集中してやっていこうと思う」と試合チェックせずに自らの防衛戦にフォーカスする姿勢を示した。 　身長170センチのサウスポーのペッチに対し、中谷は身長172センチのサウスポー。長身サウスポー対決となり「（試合では）久びさなぐらいの背が高い相手。スパーリングでは大きい選手とやっているので気にしていない。試合だと8オンスのグローブで変わってくるので、そういったところも楽しみながら良いパフォーマンスをみせたい」と決意を示した。