レスリング・吉田泰造が男子高校生初の全日本2冠 “ロス五輪の星”「史上初が好き。とてもうれしい」
◆レスリング◇全日本選手権 第1日(19日、東京・代々木第二体育館) 男子グレコローマンスタイル82キロ級で18歳の吉田泰造(香川・高松北高)が初優勝を飾った。決勝で岡嶋勇也(警視庁)を5―0で破るなど、初戦から全4試合を無失点で勝利。高校生の男子で明治杯全日本選抜選手権との2冠達成は、史上初の快挙となった。 吉田は優勝を決めた瞬間、タオルを広げ、控えめなウィニングランを見せた。持っていたのはパリ五輪時に製作された高松北高の先輩でグレコ77キロ級金メダリストの日下尚(三恵海運)の応援タオル。大会前に日下から「頑張れよ」と激励され、「ウィニングランします」と宣言。有言実行で高校生初の2冠に輝き「史上初とか、そういうのが好きなので、とてもうれしい」と喜んだ。 4月のアジア選手権で17歳11か月23日の日本男子史上最年少優勝を果たした“ロス五輪の星”だ。今夏のパリ五輪では日下が香川県出身の選手として初めて、金メダルに輝いた。「高松北高校は地方で部員も少ないけど、その中からオリンピックチャンピオンが出た。自分にも可能性があるのかなと思わせてくれた」と4年後への思いは一層、強まった。 小学2年から中学3年までは相撲にも取り組んだ経歴も、日下と共通している。試合前には四股を踏むルーチンを行い、今も相撲で培った基礎を大切にしている。来春の卒業後はパリ五輪で金メダリスト5人を輩出した日体大に進学する。「尚先輩と同じ環境でチャンピオンと練習できる。4年間を大切にしながら、レスリングに全て打ち込んで、オリンピックで優勝したい」と誓った。
報知新聞社