「若いうちにやっとけば」と後悔する患者も…将来の骨折を防ぐ「骨ケア」30~40代から必要な訳 上皇后美智子さまも10月に右大腿骨上部を骨折
日本骨粗鬆症学会が発行している「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」でも推奨されており、自治体が行う健康診査のなかにオプションで骨密度検査が設けられている場合があるので、その際にDXA法を受けられる医療施設を選ぶといいという。 自治体の項目にない場合は、整形外科や婦人科、内科などで受けることができる(自費で5000円程度・保険適用となる場合もあり)。 骨密度検査の結果、若い女性(20~30歳)の骨密度の平均値と比べて、自分の骨密度が70%未満だった場合は骨粗鬆症と診断される。
■エビデンスに基づいた予防法とは? 骨密度は何もしなければ、加齢とともに低下していく。それを食い止めるための骨ケアには、大きく食事(栄養)、運動があり、いずれもきちんとしたエビデンス(科学的根拠)がある。 ■食事 まず食事(栄養)についてだが、必要な栄養素はカルシウムだけでなく、タンパク質やビタミンD、ビタミンKなども重要だ。 厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、骨の主成分であるカルシウムは15~74歳の女性の場合、食品で1日650mgを摂取することが推奨されている。
同じく骨の主成分であるタンパク質の推奨量は1日50g。「日本人のほとんどの人が不足している」(矢吹医師)うえ、貯蔵ができない性質を持つため、一度にたくさん食べるよりも、毎食こまめに摂取する必要がある。 さらに、骨を強くするには腸内でのカルシウムの吸収を助けるビタミンDが必要。しらす干し、いわしの丸干し、すじこ、鮭、うなぎ、干し椎茸、きくらげなどに多く含まれ、1日400~800IU摂取が推奨されている。
血液中のカルシウムを骨に取り込むことをサポートするビタミンKも、1日250~300μgの摂取が望まれる。納豆や抹茶、モロヘイヤ、ほうれん草などに多く含まれる。 これらの栄養素を積極的に取り入れながら、バランスのよい食生活を心がけることが大切だ。 ■ビタミンDは日光+サプリメントが○ なお、ビタミンDは実は食事から摂取するよりも日光(紫外線)を浴びることによって皮膚で作られるほうが体内にとどまっている時間が長く、効率よく摂取できることがわかっているという。