「公務員と大企業の正社員」生涯賃金が多いのはどっち?平均給与から試算してみた
一般的に安定しているイメージがある公務員ですが、就職や転職を検討する場合、生涯賃金がどのくらいになるのかを知っておきたいものです。 ◆【一覧表】大企業における生涯賃金を男女別の一覧表で見る 職種や役職、勤務地などによって生涯賃金は大きく異なるため、単純に算出することはできませんが、今回は平均給与月額から試算してみます。 また、従業員数1000人以上の「大企業の正社員」として働いた場合の生涯賃金もご紹介するので、公務員の生涯賃金と比較してみましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
国家公務員・地方公務員の生涯賃金
総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、一般行政職の平均給与月額は以下のようになっています。 全地方公共団体の平均給与月額は35万8824円、国家公務員は40万4015円とされています。 あくまでも単純計算ですが、4年制大学を卒業後、60歳まで38年間勤務した場合を想定して計算してみます。 <地方公務員> ・35万8824円×38年間:約1億6362万円 ・ボーナス4.4ヶ月(157万8825円)×38年間:約6000万円 ・合計:2億2362万円 <国家公務員> ・40万4015円×38年間:約1億8423万円 ・ボーナス4.4ヶ月(177万7666円)×38年間:約6755万円 ・合計:2億5178万円 どちらも賞与4.4ヶ月分(2022年12月支給分~)を加えて計算した結果、地方公務員が2億2362万、国家公務員が2億5178万円となりました(退職手当を考慮せず)。
大企業の正社員の生涯年収
続いて、独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023 ー労働統計加工指標集ー」から、従業員数1000人以上の大企業における生涯賃金を見てみます。 上記の図表は、学校を卒業してただちに就職し、60歳で退職するまでフルタイムの正社員を続ける場合(同一企業 継続就業とは限らない)の生涯賃金です。 例えば、2022年における男性・大学卒の生涯賃金は2億8750万円、女性・大学卒は2億3090万円となっています(退職手当を考慮せず)。 なお、定年まで転職せずに同一企業に勤めた場合の生涯賃金は、男性・大学卒で3億440万円、女性・大学卒で2億4830万円となっています。 統計を見ると、転職せずに定年まで働くケースのほうが、生涯賃金が高い傾向にあるようです。