走行中に突然の眠気!? 食後のバイク走行は「血糖値スパイク」に要注意
食事内容が眠気の原因に!?
バイクに乗って遠出する際、ライダーを困らせるのが疲労や眠気。余裕を持った旅程を組むことや、ツーリングの前日に十分な睡眠をとることはもちろん重要ですが、いくら対策をしても眠くなってしまうこともあるでしょう。 【画像】食後のバイク走行の注意点を画像で見る(10枚) クルマの場合はシートを倒して仮眠をとることも可能ですが、バイクだとそうはいきません。カフェやイートインコーナーでの仮眠も迷惑になるため避けた方が良いでしょう。エナジードリンクやコーヒーで眠気をごまかしながらツーリングをする、という人も多いのではないでしょうか。 そんな、ツーリングで眠くなるタイミングはさまざまですが、多いのが食事をとった後に眠くなってしまうというケース。満腹感と同時に怠さに襲われ、なかなか動き出せなくなってしまったという経験がある人も多いと思います。 では、どのようなメカニズムで食後の眠気が引き起こされているのでしょうか。
一般的に、食事を摂ったあとは血糖値がゆるやかに上がります。その後、膵臓から分泌されるインスリンの働きによって身体の細胞が糖を吸収し、血糖値は食前の値まで戻っていく流れ。 この血糖値の動き自体は健康な人であれば誰にでも見られるものですが、糖質の多い食事を摂った場合や、インスリンの分泌が遅れた場合など、糖尿病でないにも関わらず食後の血糖値が異常に高くなってしまうことがあります。 急激に上昇した血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されると血糖値は急降下。脳へ十分な糖が行き渡らず、眠気や倦怠感を引き起こしてしまうのです。 乱高下する血糖値をグラフにすると、折れ線がまさにトゲのように見えることから、この現象は「血糖値スパイク」と呼ばれています。 血糖値スパイクを防ぐためには、食後の血糖値が急上昇しないよう心がけることが必要。そのためには、食事内容や食べる順番への配慮、食後の軽い運動が効果的です。
まずは食事内容について。炭水化物をむやみに減らすのではなく、低GIの食品を選ぶことで、栄養不足を回避しつつ食後の血糖値の急上昇を防ぐことが可能。GIというのは、食品ごとに食後の血糖値の上昇のしやすさを数値化したもの。 同じ炭水化物でも、白米や食パンはGI値が高く、つまり血糖値を急上昇させやすい食品であり、そばや春雨はGI値が低く血糖値の上昇が緩やかな食品となります。毎日意識するのは大変でも、ツーリング先の食事のみ意識するだけであれば、ハードルは低いのではないでしょうか。 また、食事内容だけでなく食べる順番の工夫も重要。まずは野菜や肉を食べ、白米やパンなどの炭水化物をいきなり食べないように心がけることで、糖分の吸収が緩やかになります。