「達だけじゃない」天理の先発・仲川が秘めた意地 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第10日の31日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準決勝が行われ、2年連続25回目出場の天理(奈良)は東海大相模(神奈川)に0―2で敗れた。天理は優勝した第69回大会(1997年)以来24年ぶりの決勝進出を逃した。 【東海大相模vs天理】29年ぶりに4強で再戦 「達だけじゃないということを見せてやる」。決勝進出を懸けた先発マウンドに立ったのは、準々決勝までの3試合をほぼ一人で投げ抜いてきたエース右腕ではなく、達と同じ3年の左腕・仲川だった。 達は29日の準々決勝の試合後、左脇腹の違和感を訴えて登板を回避。中村監督が託したのは「低めの制球が良い」という背番号17だった。「今大会の東海大相模は左腕に苦戦していた」との見立てもあった。 仲川はその期待に応えてみせた。小・中学校時代に地元のボーイズリーグで全国優勝を経験したマウンド度胸を存分に発揮。球速表示こそ130キロを超える程度だったが、臆せず打者の内角を突いた。この球を生かし、外角への緩い変化球で打たせて取った。初回こそ制球が甘く安打を許し、失策絡みで1点を失ったが、二回以降は得点圏に走者を背負うも追加点を与えず、8回1失点の力投。「持ち味をしっかり出せた」と振り返った。 しかし、頼みの打線が東海大相模のエース・石田の前に沈黙。チームとしては先取点を挙げて勝ち切る、得意の展開に持ち込めなかった。「達は絶対的なエースだが、争えるようなピッチャーになりたい」と仲川。24年ぶりの決勝進出こそ逃したものの、夏に向けて投手陣の厚みを印象付けた。【伝田賢史】 ◇決勝戦もライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、決勝もライブ中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。