ＪＲＡ通算４５００勝を達成し、プレゼンターのルメールと抱き合う武豊（撮影・佐々木彰尚）

　レジェンドがまた不滅の大記録を打ち立てた。武豊騎手（５５）＝栗東・フリー＝が１２日の東京２Ｒを３番人気ウェットシーズンで制し、前人未到のＪＲＡ通算４５００勝を達成した。「デビューしたての頃はこれだけ勝てると思わなかった。感慨深いですね。目の前の１勝に全力を尽くしての結果。これだけジョッキーを続けられたことがまずうれしいし、これまでの馬と人に感謝です」と頭を下げた。 　場内のどよめきが歓声に、そして大拍手に変わる。直線で一度はライバルに前に出られたが、そこから名人芸ともいえる見事な差し返しを披露。「きょうできたらいいなと思っていた。良かった。決められて。３７年以上積み重ねてきた数字なので重みを感じますね」と安堵（あんど）の表情を浮かべた。 　次の目標を聞かれた際のフレーズは、４０００勝達成時と同じく「次の１勝です」。しかし、歴代最多のダービー６勝について触れられると、「まだ足りないですね（笑）」とちゃめっ気たっぷりに返答した。「勝ちたいレースは尽きない。数字に限度はないし、一つでも多い方がいい」。１勝を積み重ねるたびに全てが前人未到の数字となっていく。どこまで伸ばすのか－。ユタカは変わることなく第一線を歩み続ける。