ボルボの「全車EV化計画」は目標の2030年までには無理だった…!? EV普及の妨げの要因と計画見直しの中身を紹介します
目標となるEVの比率を若干修正
ボルボ・カーズによれば、それは完全な目標の見直しではなく、当初2030年に全車としていたEVの比率を、2030年までに全生産車の90%以上をEV、もしくはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド)とし、残りの10%をHV(マイルド・ハイブリッド)とする計画へと若干修正したものであるという。 2030年にEVメーカーへという計画を見直した背景には、EV普及のためには必要不可欠となる充電インフラの整備が予想以上に遅れていることや、仮にそれが整っても充電に必要な時間、すなわちエネルギーの調達時間にはある程度の長さの限界があること。そしてそれを好まずに、現在でも通常の内燃機関を搭載するモデルや、HV、PHEVといったモデルが市場では人気を誇っていることなどがあった。 輸出先各国の政府による補助金制度や税金の減額などにおいても、なかなか足並みが揃わないことも、EV普及の妨げになっているとボルボ・カーズは語る。 一度は内燃機関エンジンの開発を終了すると宣言したボルボ。仮に2030年を越えてもPHEVやHVでそれが必要となるのならば、新型エンジンの開発は必要不可欠なプログラムとなるだろう。ボルボ・カーズによれば、この中期計画の見直しは資本の支出計画に重大な影響はなく、その未来は電動化にこそあるという信念は不変だ。 参考までにCO2排出量の削減目標は、2018年基準で2025年には従来の40%削減から30~35%の削減へ。そして2030年には生産車1台あたり65~75%削減することを目指すという。ボルボ・カーズのEV戦略、そしてその橋渡し役となるPHEV戦略は、今後もさらに魅力的なモデルとともに、我々の興味を抱かせ続けてくれるに違いない。
山崎元裕
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