生身の有名タレントより「VTuber」の時代!?ECの販促“知られざる激変”の実態とは?
ECサイトの「売り方」に変化が起きている。VTuber(バーチャルYouTuber)を活用してインターネット上で商品を販売する「キャラクターコマース」という新しいビジネスが勢いを増しているのだ。なかでも「ライブTV」というライブコマースサービスを展開し、視聴者数・視聴分数・商品売上を大幅にアップさせた成功例が「au PAY マーケット」だ。そんな「au PAY マーケット」に、Eコマースの潮流について尋ねてみた。 【この記事の画像を見る】 ● コロナ禍以降拡大し続けるEコマース市場 2022年の「電子商取引(Eコマース)に関する市場調査」(経産省)※1によれば、日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前年比9.91%増)で、コロナ禍以前の規模を上回って推移し、市場の拡大傾向が続いている。 そんなEC市場の中で近年注目を集めているのがライブコマースだ。ライブコマースは、インターネットやアプリのライブ配信動画を活用するオンライン販売手法だ。生配信で商品やサービスを紹介、コメント機能を活用して視聴者の質問にも答えていくことで、これまでECでは困難だった双方向的な販売が可能になる。 そんなライブコマースの新たな施策としてVTuberを使った「キャラクターコマース」という新しいビジネス手法が脚光を浴びている。 VTuberとはCGグラフィックによるアバターを使用したバーチャルなYouTuberのこと。2018年ごろから知名度を大きく上げて、海外のみならず企業からも注目される存在となっている。
矢野経済研究所の調査によると、VTuber市場は右肩上がりに拡大しており、2023年度には800億円の市場になることが推定されている。これは、歴史が長く熱狂的なファンを抱える同人誌やトレーディングカードゲームの市場規模に匹敵するという。 ※1出典:「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(経産省)より https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html ● Vtuberとのコラボで売り上げが倍増 実際に、VTuberを自社サイトで積極的に活用しているのが「au PAY マーケット」だ。VTuberを活用したライブ配信(2023年7月放送分全2回)の結果を見ると、他番組との対比では、視聴者数の平均対比128%、視聴分数の平均対比348%、流通額(番組を通した商品売上)の平均対比はなんと470%だ。 また、VTuberを起用したお茶を販売する番組では、ライブ配信前の直近3カ月の同店舗の流通実績と比較すると705%も伸長した。 女性向けシャンプー「ululis(ウルリス)」を展開するH2Oは、Vtuberとのコラボ生配信をYouTube上で実施。配信の最高同時接続数は約1万8000に上り、販売した限定セット1200個が生配信終了後10分以内に完売したという。