日本IBMの「IBM地域デジタル変革パートナーシップ包括サービス」、北九州市から取り組みを開始
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は13日、地域企業のデジタル人材育成と先端技術を活用した企業のデジタル変革を両輪で進め、地域共創しながら包括的に支援する「IBM地域デジタル変革パートナーシップ包括サービス」を、福岡県北九州市のIBM九州DXセンターから取り組みを開始すると発表した。 サービスでは、各地の産業集積の特性を踏まえながら、地域を代表する企業のデジタル推進人材を産官学の連携により育成し、デジタル人材が企業の枠を超えて、企業・産業のデジタル変革に向けた共創をリードしていくエコシステム構築を目指す。 日本IBMでは、デジタル人材は全国的に不足状況で、その大多数が東京圏に集中しているため、地域ではデジタル変革を推進する人材の確保・育成が難しく、デジタル変革の阻害要因になっていると説明。こうした地域の社会課題を解決するためには、AIや先端テクノロジーを活用しながら、業界知識をもとに地域企業のデジタル変革を推進する人材育成が急務だとしている。 そこで、日本IBMは、地域企業・自治体との共創による、産官学でのデジタル人材育成プログラムの提供、デジタル変革の推進に向けた共創による課題解決への取り組みの支援、AIなどの先端技術を活用した最新ソリューションの適用によるデジタル変革の実現までを包括的に支援する、IBM地域デジタル変革パートナーシップ包括サービスを提供する。 サービスは、主に大企業向けに提供している「デジタル変革パートナーシップ包括サービス」を、地域の課題解決に資するよう、AIをはじめとしたテクノロジーの飛躍的な進化を踏まえて拡充した。全国8カ所の「IBM地域DXセンター」を軸に、顧客の個々の課題状況やニーズに合わせて、サービス内容や期間、価格を柔軟に対応して提供していくとしている。 IBM地域デジタル変革パートナーシップ包括サービスでは、「デジタル変革戦略の推進」「産官学連携による多様なデジタル人材育成」「先端技術を活用した業務改革」「開発・保守運用とビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の高度化」「新しいワークスタイルの確立」の5つを重点強化領域として定義している。 デジタル変革戦略の推進では、各業界での豊富な知見をもとに、地域企業と共創しながら、IBM Garageによる新しいデジタル・ビジネスモデル創出支援や変革推進部門立ち上げ、共に課題解決に取り組む場を設置する。 産官学連携による多様なデジタル人材育成では、地域の大学や研究機関、自治体との協力を通じた、産官学で企業・地域のイノベーションをリードするデジタル推進人材の育成に加え、女性や外国籍技術者など多様なデジタル人材育成の支援を行う。 先端技術を活用した業務改革では、「デジタル変革のためのAIソリューション」や業界向け「デジタルサービス・プラットフォーム」を活用した、業務効率化や市場競争力向上の支援を行う。 開発・保守運用の効率化とBPOの高度化では、「IT変革のためのAIソリューション」を活用した開発・保守運用の効率化や、AIを前提としたBPO業務の高度化による企業競争力の強化を支援する。 新しいワークスタイルの確立では、リモートワーク導入支援やAI実用化のソリューションを、IBMが企業と共創するプラットフォームである「IBM Consulting Advantage」の活用により、プロジェクトの生産性・効率性の向上を目指す。 日本IBMは、デジタル変革パートナーシップ包括サービスと、今回発表したIBM地域デジタル変革パートナーシップ包括サービスにより、相乗効果を図りながら、全国の顧客企業のデジタル変革を支援していくとしている。
クラウド Watch,三柳 英樹