不安を露呈した大阪桐蔭は滋賀学園、智弁和歌山が揃う激戦ブロックを勝ち抜き、6年連続センバツ出場を実現できるか?
ほっともっとフィールド神戸で行われている近畿大会は、19日からの3日間で6試合が行われた。26日には1回戦残り2試合と準々決勝1試合。27日には準々決勝3試合が行われ、ベスト4が出揃う。今大会、6年連続のセンバツ出場を狙う大阪桐蔭は26日、滋賀学園と対戦する。滋賀学園は速球投手にも強く、近畿大会の出場チームの中でも投打ともに能力が高い。大阪桐蔭は初戦までにどう立て直せば良いのか、考えていきたい。 【一覧】大阪桐蔭 近畿大会ベンチ入り選手
頼みの2枚看板の課題は?
新チームのスタート当初は評価が高かった大阪桐蔭だが、秋の大阪府大会決勝戦で履正社に4対8と大敗。頼みの2枚看板である150キロ右腕・中野 大虎投手(2年)、151キロ右腕・森 陽樹投手(2年)がそれぞれ4失点。しかも失策も出てしまうなど、大阪桐蔭を不安視する声も少なくない。 まず履正社戦を見ると、中野は下手にストライクを取りにいっている。140キロ前半の速球は切れもあって、コントロールは悪くないが、高めに浮いたストレートをしっかりと捉えられている。もう一度、今ある引き出しをすべて使って、抑えていきたい。テンポ、コントロール。ピンチの時こそ、幅広く使っていきたい。 森は履正社戦の6回だけリズムを悪くしてしまい、焦ってストライクを取ったり、ボール先行になってしまったりした。7回以降の投球や、それ以外の試合を見ると、変化球をコーナーぎりぎりに投げ分けができており、自慢の速球を活かし、高めの釣り球で三振を奪うなど、コンビネーションの良さを感じた。 2人とも近畿大会では、自分の持ち味を発揮できる調整をすれば、滋賀学園打線を抑えられるだろう。
打線のキーマンを紹介!相手の滋賀学園は投打に強力
打線については1番ショートの宮本 楽久内野手(2年)が攻守の中心だ。前チームからショートのレギュラーとして活躍し、広角に打ち分ける打撃が光る。打線の核は3番センター・畠中 健太外野手(2年)。シャープなレベルスイングで、ヒットを量産する左の好打者だ。準々決勝以降の3試合では、9打数5安打を記録している。俊足を活かしたベースランニングも光るものがあり、好投手相手にも実力を発揮できるか、注目が集まる。 今年の打線で最もパンチ力がある吉野 颯真内野手(2年)は期待の大型スラッガー。吉野が当たれば打線は勢いに乗る。今年は左の好打者が多く、桑元 信祐内野手(2年)は、1年生ながらスタメンを務め、正確なバットコントロールでボールを捉える。準々決勝以降の3試合では11打数3安打と、大爆発に至らなかったが、どの試合もライナー性の打球が多く、キーマンとなりそうだ。今年は一発長打の選手は少ないが、うまくつながっていけば、大量点を取れる打線だろう。 対する滋賀学園は甲子園でも好投した土田 悠貴投手(2年)、秋季県大会で台頭した長崎 蓮汰投手(2年)が2枚看板だ。2人とも常時130キロ後半の速球を投げ込む好投手である。打線については、県大会で滋賀学園を見てきた記者によると、前チームの大型遊撃手・岩井 天史内野手のようなドラフト候補はいないが、それ以外の選手たちの力量は甲子園ベスト8の選手と変わらないという評価だ。簡単に勝てる相手ではないが、決勝戦から約2週間でしっかりと攻守を立て直せば、大阪桐蔭らしい強さを見せるだろう。 ただ初戦突破しても、神戸学院大付vs智弁和歌山の勝者と対戦。特に智弁和歌山はプロ注目右腕・渡邉 颯人投手(2年)、最速152キロ右腕・宮口 龍斗投手(2年)と強力な2枚看板を揃え、打線も大型遊撃手・山田 希和内野手(2年)、この秋で走攻守の進化が著しい藤田 一波外野手(2年)と打線も強力だ。 ここまでの近畿大会は東洋大姫路(兵庫)、天理(奈良)、立命館宇治(京都)の1位校の3チームが初戦突破。センバツ出場にはまず初戦突破が条件だが、準々決勝敗退を喫してしまうと、2位校の大阪桐蔭はセンバツ出場は厳しい立場なので、ベスト4が絶対条件だ。 このブロックを勝ち抜いていけば、再び近畿の本命チームとして評価されるのではないか。