【ベトナム】松屋がベトナム進出 東南ア初、ホーチミンに21日開業
松屋フーズホールディングス(東京都武蔵野市)が牛丼チェーン「松屋」のベトナム1号店を南部ホーチミン市にオープンすることが分かった。東南アジアでは初の出店で、21日に開店する。同市内で2号店も12月中にオープン予定で、2027年度までに10店舗出店する計画だ。牛丼チェーンでは「すき家」と「吉野家」もベトナムに進出しており、大手3社が出そろうことになる。 1号店はホーチミン市1区レズアン通りの複合施設「Mプラザ・サイゴン」の1階に出店する。店舗面積は約82平方メートルで座席数は32席。カウンター席中心の日本の店舗と異なり、グループ客が多いことを想定しテーブル席中心のレイアウトとした。 2号店は路面店で、ビンタイン区に出店する。25年にも2店舗をオープンし、27年までにホーチミン市を中心に10店舗体制を目指す。 看板商品の「牛めし」は並盛り・税抜き価格で5万5,000ドン(約333円)。日本国内の店舗の430円より2割ほど安いが、ベトナムではみそ汁は追加料金となる。 その他のメニューは◇「ネギたま牛めし」(7万5,000ドン)◇「キムカル丼」(キムチとカルビの丼、9万9,000ドン)◇しょうが焼き定食(9万9,000ドン)――など。ベトナム限定のメニューも順次追加予定だ。 松屋の現地担当者はNNAに「定番メニューでは日本の味を再現しているが、カレーはメニューから外すなどベトナム人の嗜好(しこう)に合わせて工夫をした」と説明している。 ■スタッフ育成拠点としても活用 松屋フーズホールディングスは今年1月にベトナム法人を設立し、出店準備を進めてきた。同社は中国本土(上海・広東)と香港、台湾、モンゴルに展開しており、東南アジアではベトナムが初出店となる。 同社はベトナムで拡大する外食需要を取り込むとともに、ベトナムを世界の店舗で働くスタッフの育成拠点とすることも目指す。 昨年10月に国立ダナン外国語大学(中部ダナン市)とインターンシップ協定を締結し、日本で働くスタッフやベトナムでの多店舗展開に向けた幹部候補生の育成に取り組んでいる。タンロン大学(北部ハノイ市)とも同様の協定を結んでおり、協定校はさらに増やす予定だ。ベトナム国内での店舗網拡大により実務経験の場を増やすことで、人材育成にも役立てる。 ■外食チェーン、進出相次ぐ 経済発展が続くベトナムでは日本の大手飲食チェーン店の進出が加速している。 ゼンショーホールディングスは16年にすき家を初出店し、現在21店舗。20年に進出した吉野家ホールディングスは吉野家3店舗などを営業する。 牛丼チェーン以外では、イタリア料理チェーン店を展開するサイゼリヤ(埼玉県吉川市)が8月、ベトナム進出計画を発表した。10月には、長崎ちゃんぽん専門店などを展開するリンガーハット(東京都品川区)も25年3月に現地法人を設立する計画を発表している。