闇が深い...「売春おじさん」が「立ちんぼ女子」に群がる常人には理解しがたい理由
今、世間を賑わせる若者の立ちんぼ。女の子が歓楽街に立ち並ぶ光景は異様だけれど、悲しいかな需要と供給は成り立っており、日夜売買が行われるから恐ろしいものだ。 【画像】夜職の実態に詳しい筆者・たかなし亜妖さん ■彼はかなりの遊び好き 国内にはオトナのお店が山ほど存在するのに、なぜあえて「非公式」を選ぶのかが、筆者は理解できない。 公衆の面前で堂々と取引をするのは身元が割れやすいし、犯罪に巻き込まれるかもしれない。お店で遊ぶ方がまだ安全なはずなのに、例の公園をうろつく男性はリスク以上に求めたいものがあるそうだ。 「購入者」側の意見を教えてくれたのは、夜職の知人。某公園で女の子を買った客が現れたのだという。 その客の名前を、仮にA男としよう。話によると、彼はかなりの遊び好きだそうで、あちこちのお店に顔を出す、いわばフットワークが軽いタイプだ。口を開けばヨソのお店や女の子の話を連発し、知人はすぐに彼を「玄人」とジャッジしたと言う。
危機感そのものがあまり強くない
A男がお店の外で女の子を買うきっかけとなったのは、ネットニュース。夜遊びに食傷気味だった彼は興味を持ち、例の場へ出向く。 実際に遊んでみると、「新鮮味があって良かった」そうだ。相場が安く、女の子と直接やり取りをして交渉する部分には刺激を覚えたという。お店という囲いにとらわれず、実物を見てから遊ぶ相手を決められる点も、「玄人」からすると魅力を感じるポイントらしい。 嬉々として語るA男を見て、知人は呆れた。店では嫌がられることを覚悟の上で、病気や犯罪という痛いところを突いたそうだ。 けれども、危機感そのものがあまり強くないようで、「日本は安全だから。そんなことを気にしていたら何も楽しくない」と不機嫌気味に返され、彼女は閉口する。 筆者である私もその話を聞いているうちに複雑な感情に襲われ、同時に「人間はなんと欲深い生き物やら」と思ってしまった。
売る側の根絶と、買い手の意識の変化を
立ちんぼと遊びたがる人全員が、この考えに当てはまるわけではない。けれども、おそらく大半の人間は危機管理能力が薄いのだろう。 大衆の目も気にせず興味や好奇心を優先し、いくつかのメリットを見いだすからこそ、あの街には購入者が絶えず訪れる。売る側ももちろん悪いが、買う側もいかがなものだろう。 それに、非公式の世界に飛び込んだ理由がネットニュースなのも引っかかる。重い社会問題を面白おかしく取り上げる記事も実際に多いため、A男がその手の内容を読んで興味をそそられたのなら、ウェブメディアもまた同罪ではないか。 稼ぐ方法や仕事があふれんばかりの世の中で、立ちんぼが流行ってしまうのは、社会の闇としか言いようがない。もっと深刻に考えるべき問題だからこそ、大人たちが率先して助長するのは言語道断だ。 夜遊びをするなとは言わないけれど、これ以上闇を深めないためにも立ちんぼを買わないでほしいと思う。売る側の根絶はもちろんのこと、買い手の意識も同時に変化しなければ、事態はさらに悪化するかもしれない。 【プロフィール】 たかなし亜妖 2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。