ザックが内藤を破り悲願のIWGP世界ヘビー初戴冠「鈴木軍の存在なくては新日本のトップに立つことはできなかった」
内藤哲也「ザック・セイバーJr、これからどんな世界を見せてくれるんだ?見せれないなら、すぐに、俺が引きずり下ろしてやるよ」
■試合後バックステージコメント 内藤「(※床にヒザをつき、時によっては片手をついて体を支えたりしつつコメント)1月4日と、現地時間の6月30日、今年2回、この新日本の最高峰のベルトを獲ったにもかかわらず、2回も落とすなんて、こんなチャンピオン、なかなかいないよ。逆にレアだよね。こんだけうまくいかないとさあ、やんなっちゃうよ。こんな俺でも、やんなっちゃうよね。まあでも、レスラーとして、自分より優れたレスラーがいるからこそ、俺も頑張れるんでね。ザック・セイバーJr、今年の『G1 CLIMAX』優勝の勢いのまま、今日、対角線に立ってくれて、そして俺に勝ってくれて、何か……変な話だけど、何かちょっとうれしかったよ。そしてますます、ザック・セイバーJrという男が、(※立ち上がって)嫌いになったよ。さあ、第11代IWGP世界ヘビー級チャンピオン、ザック・セイバーJr、これからどんな世界を見せてくれるんだ? 見せれないなら、すぐに、俺が引きずり下ろしてやるよ。まあ、今リング上で何かやってるけど、ザックのお手並み拝見かな。カブロン!」 海野「ごめんな、ザック。試合後で疲れてて、SANADAさんの挑戦も決まってる中で押しかけて、本当に申し訳ない。でも、棚橋さんも引退宣言したんだ。新日本プロレスの本隊の代表として、このままでいいわけないだろ。俺は覚悟決めてんだよ。貪欲にガムシャラに、タイトル挑戦させてもらう。覚悟は決まってるから。とりあえず、明日って言ってたな。明日、会見でもやるのか? 何でもいいよ。どこでもいいよ。しっかり考えて、答えを聞かせてくれよ。こんなにも、大ブーイング、大歓声、いただいてるのは俺だけでしょう。こんな逆境、押しのけてやるよ。大ブーイング、もっともっとくれ。内藤さんの二の舞になるか? ふざけんな。全部ひっくり返してやる。その上でザック、お前の持ってるそのベルト、必ず取り上げて、俺が新日本プロレスの中心に立って、棚橋さんを送り出すよ」 鷹木「オイオイオイ! 何だよアイツら! 9月の神戸の時は来なかったのによぉ、両国に限って来やがって! まあ内藤が負けたのはちょっと残念かもしれねえが、ザック、リング上で言った通りだ。『G1』では確かに俺は両国で負けた。だが、大阪で勝ってんだ。1勝1敗だ。次はそのタイトルを懸けて決着つけようぜ。ま、SANADAは……仕方ねえな、もうカード決まってんのか。そこはもうザックに任せたけど、まあSANADAもSANADAでよぉ、試合もねえのにあんなお前、カッコいい格好して来て、ペラペラペラペラ英語で言って、まあ俺が一つ英語で言えるとしたら、『HOLD YOUR LAST CHA~NCE』。以上!」 ※ザックが大岩を迎えに行かせる。少し時間を経て、頭を痛そうに抱えて大岩が登場。 大岩「(※英語で)おめでとうございます!」 ザック「(※日本語で)カンパイダケ……(※英語で、ビールを配りながら)これを回してくれ」 シェイン「こいつの怪我にも良さそうだ」 ザック「(大岩に対して)これはオーストラリアの回復飲料だ。日本製のオーストラリア式回復飲料」 シェイン「その通り」 ※皆で缶ビールを開けて。 ザック「(大岩に)スピーチをしてくれるって?」 大岩「(※英語で)日本語でいいですか?」 ザック「あぁ、いいだろう。今日は英語で喋るのが難しいだろうしな」 大岩「今日は、自分は悔しい結果だったけど、TMDKの時代が必ず……もう始まってるから。カンパーイ!」 ※皆で乾杯する ザック「TMDKだぜ、ベイベー!」 ※一瞬で缶ビールを飲み干すシェイン。 シェイン「飲み終えた!」 マイキー「カメラの前で自慢するなよ!」 ザック「フージは?」 ※残っている仕草をする藤田に対して、早く飲み干すようコールをかけるシェイン、マイキー、ザック ザック「(缶ビールを飲み干した藤田に対して)お~よくやった」 ※同じようにまだビールが残っている大岩に対して、飲み干すコールを歌い出すシェイン、ザック。 ザック「王座戦は負けてしまったかもしれないけど、缶ビールコンテストでは優勝だ。ロイ(大岩のこと)今夜はよくやった。あまり自分を攻めすぎるな。必ず王座を獲るチャンスを掴んでやる。(マイキーを指差し)タッグ王座は守った。(藤田に目をやり、日本語で)フージ……どうする?でももうすぐ、『Jr. TAG LEAGUE』だからね」 藤田「でも、一つ……ザックさんが勝った今、水を差すわけではないけど、一つだけ言わないといけないことが。ゲイブ(・キッド、)、あんたが持ってるその名誉あるベルト……オープンチャレンジなんだよな? ジュニアヘビーであろうと、ヘビーであろうと、挑戦できるんだよな? 11月8日、ボストン大会……MAD MANに挑戦するのはJAPANESE YOUNG PUNK。(※英語で)俺が挑戦する……」 ザック「クソ野郎が」 藤田「おぉ、クソ野郎が」 ※皆で爆笑するTMDK ザック「いいね~。そしてもう一度改めて……(ハートリー・ジャクソンを隣に呼び)ビッグ・ジャックだ。すでに紹介したけれど、TMDKのオリジナルメンバーで、オーストラリアのプロレス界のレジェンドだ。この2週間俺たちが王座戦に挑む間、矢面に出て戦い続けてくれた。この人こそ、根っからのTMDKでこれからもっと見る機会が増えるだろう。近々な」 シェイン「足が折れる寸前だった!」 ハートリー「どの試合も、俺の最後の試合になる可能性があるからな?(笑)可能な限り楽しむだけさ」 ザック「ジャック、冗談に聞こえないぞ。あまりそれは公の場で言わないでくれ(笑)この人はリングではゲンキになるからな……。さて、時代が変わった。ニュー・エラ(新時代)だ。そして、それは確実にザック・セイバーJr.の時代だ。そしてこれからもTMDKは共に歩んでいく。新しい新日本はオレンジ色だ。オレンジ色。この20年間、黒色ばかり着ていた俺がいつの間にかオレンジ色に染まってる」 シェイン「最高~」 ザック「(※日本語で)オレンジはいいね。(※英語で)いいオレンジだ。」 シェイン「(着用していた短パンを指して)このオレンジは?」 ザック「それは黄色だろう。色が問題じゃなさそうだな。(※日本語で)色はモンダイない……」 シェイン「カメラは俺じゃなくて(ザックを指差し)こっちだろう!」 ザック「もう行っていいよ。日本語で話してみる」 ※TMDK各メンバーと抱擁して喜び合うザック。残ったビールを盗むシェイン。最後に藤田と大岩に抱擁するザック。 ザック「みんな一緒。想定通りだ。数年かかったけど、この二人が欲しかった。全てが収まるところに収まった。さあ、、子どもたち、行きなさい!」 ※大岩と藤田が退場する。 ザック「(※日本語で)20年デスネ……。(※英語で)ありきたりな言葉かもしれないけど、すべての物事は良きタイミングで起こるんだ。そう思わないか?(※日本語で)最初は……ナイトー選手。絶対、リスペクト。絶対、リスペクト。(※英語で)ナイトーの今の身体のコンディションは、アイツが新日本プロレスに身体、魂、心のすべてを捧げてきた結果だ。俺はそれを尊敬することしかできない。『G1』を制覇することは俺のプロレスのスタイルがプロレスで最高のスタイルであることを証明するためにサブミッションで勝つことがすべてだった。今日俺は自分のイデオロギーを少し曲げてインパクトのある勝ち方を取った。それは俺のナイトーへの尊敬の意の表れで、そうでもしないとナイトーはギブアップしないと思った。ナイトーを尊敬しているからこそ、サブミッションで勝つにはあいつの腕や足を折るしかないことが分かった。ナイトーの新日本での頂点の日々は終わったと思う。でもナイトーが王者なのには理由がある。ナイトーはまだ凄まじく強い。ナイトーはこれからも素晴らしいキャリアを歩んでいくだろう。だけど、今、頂点に立つのは俺だ。だから俺はインパクトのある終わり方で勝つことに決めた。ナイトーは頑固な男だ。サブミッションで何度も『勝てた』と思う瞬間があった。俺は今日、ナイトーに威厳を持って帰って欲しかった。ナイトーはサブミッションで勝つより頭から100回投げて勝つ方が相応しいという唯一の男だ。それほど頑固なんだ。そして、マダマダ、ツヨイ。これで俺とナイトーの章は一旦終わりだ。シングル13戦。『G1』で勝ち、王座でも勝った。俺とナイトーサンとの物語はここで終わりだ。アイツは東京ドームでたくさん予定していたことがあったけど、王座なしでやるしかない。でも、それも楽しいだろう。この先一番大事なのはザック・セイバー Jr.がIWGP世界ヘビー級王者になったということだ。 『秋、モットオモシロイ』と言っただろう。(※日本語で)おもしろくない? まだまだ? じゃあ今週、次のタイトルディフェンス。日曜日。今週だよ。じゃあそんな感じ。最初、イギリス。その次の挑戦者、楽しみよ。どっちでもいいよ。明日考えます。今日は飲みましょう。もう少し考えます。でも、今年は3回夢。『G1』トロフィー、IWGP世界ヘビー級王座、そして3つ目は東京ドームでのメインだね。今、ドーム挑戦者は誰ですか?誰も何も(決まってない)。最初、SANAやん。イギリス。(※英語で)イギリスだよ! やっとイギリスの男がトロフィーと王座を取った。IWGP世界ヘビー級王座を国に持ち帰ることができる! 持ち帰るんだ。王座戦の前にイギリスの朝食とサンデーローストを食べるのが待ち遠しい。そしたら遂にヘビー級の100キロに達するかもしれない。 (※日本語で)今日の朝は98キロ 。もう少し……101キロとか102キロくらい。(増えても)たぶん大丈夫ですね。今日『ザックの夏』は終わりました。ニュー・チャプター。 (※英語で)今日、リングで鈴木軍に感謝を表したかった。鈴木さん……タイイチ、デスペ、カネマルさん、過去のそして現在のメンバー全員に。鈴木軍は俺に居場所を与えてくれた。自分のアイデンティティを築き、何が必要なのかを知ることができた。俺は根っからのTMDKでTDMKを新日本のトップに導いていく。でも、鈴木軍の存在なくては新日本のトップに立つことはできなかった。 (※日本語で)みんな、ありがとうございました。ちょっとゴメン……技(を使って)……鈴木さん、すみませんでした。タイチさん……アックスボンバーっぽい……(使って)すいませんでした。ありがとうございました。 (※英語で)俺の鈴木軍時代はこれで本当に終わりだ。これはザック・セイバー Jr.の時代だけでなくTMDKの時代だ。藤田と大岩がTMDKにいるのは俺が呼んだからだ。藤田と大岩は未来だ。新日本の、だけではなく日本のプロレス界の未来。 (※日本語で)最初は、俺。後は、藤田と大岩。 (※英語で)新日本はここからもっともっと面白くなる。そしてもっとオレンジ色に染まる。(※日本語で)多分それだけ。いいですか?じゃあ、お疲れ様でした! (王座を肩にかけてカメラの前でポーズ)ザック「(右肩に王座、左腕にトロフィーを持ち)このトロフィーとのこんな写真も最後になるか?(トロフィーにキスをする)俺の人生における二つの大きな功績だ。まだまだこれからだ。プロレスは俺にすべてをくれた。俺に何の見返りも期待していない。俺たちはまだまだこれからだ。アリガトウゴザイマシタ、ホントウニ。」 <写真提供:新日本プロレス>
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