誰が悪い? Z世代が「職場で苦戦」する5つの理由、心理学者が解説
Z世代は自分の努力が正当に評価され、残業がきちんと報われ、柔軟な働き方が選択できる環境で特に力を発揮する
■5. 職場がZ世代の期待に応えていない Z世代は「仕事にやりがいがある」「キャリアアップが見込める」といった高い期待を抱きながら職場に入る。しかし、実際には解雇や不安定な雇用、過度な管理体制にさらされることが少なくない。 調査によると、Z世代の4人に1人が「職場に不満を持っている」と感じており、5人に1人がすでに「退職を検討している」という。2022年のマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査でも、Z世代は上の世代より自営業や複数の仕事を掛け持ちする傾向が強いと報告されている。 リーダーは、彼らの要求に積極的に耳を傾け、より包括的で支援的な職場文化を促進するために、自身のマネジメントスタイルを適応させる必要がある。これは、建設的なフィードバックと承認を提供するだけでなく、スキル開発とキャリアアップの機会を創出することを意味する。彼らの主体性に頼るだけでなく、トレーニングと柔軟性を提供することで、Z世代は成長することができる。 Z世代は、自分の努力が正当に評価され、残業がきちんと報われ、ハイブリッド勤務のような柔軟な働き方が選択できる環境で特に力を発揮する。彼らは透明性や協調性を重んじるため、経営側はオープンなコミュニケーションを優先し、意思決定プロセスにできる限り若手を参加させることが望ましい。 Z世代の感情的な自己認識やコミュニケーションスタイル、価値観重視のアプローチは、職場を変革する可能性を秘めている。しかし、それらを組織とすり合わせる仕組みがない場合、彼らは解雇や挫折を経験するリスクを抱える。Z世代自身も、求められるスキルや適応策を身につける必要がある一方で、リーダーは彼らをサポートし、世代間の協力体制を構築することで、チーム全体の生産性と円滑な連携を実現しやすくなる。 結局のところ、Z世代と企業側は互いに歩み寄ることが重要だ。両者の違いだけに注目するのではなく、現代の職場における最適なあり方を模索するうえで、相手から何を学べるかに目を向けるべきである。
Mark Travers