誰が悪い? Z世代が「職場で苦戦」する5つの理由、心理学者が解説
Z世代は常時のやり取りや迅速な評価に慣れた環境で育ったため、こまめなフィードバックを求める
■3. フィードバックの欠如が成長の壁になる Z世代は常時のやり取りや迅速な評価に慣れた環境で育ったため、こまめなフィードバックを求める傾向がある。2018年の調査では、Z世代従業員の65%以上が「少なくとも週1回はフィードバックを受けたい」と回答している。もし十分なフィードバックが得られなければ、特に自律的に進めるべき仕事の場合にモチベーションを失いやすくなる。 さらに、Z世代は業務に必要なハードスキルを有していても、組織力や調整力といったソフトスキルが不足している場合がある。管理職はミスを責めるよりも、辛抱強く指導していく姿勢が望ましい。 大学で学ぶスキルセットと、実際の職場で求められるスキルセットには依然として大きな差がある。ギャップは少しずつ縮まっているものの、新卒入社後に戸惑う若手が多いのが現実だ。 もしZ世代として働いているなら、最初にできるだけ多く質問し、チーム内のコンタクト先を把握しておくとよい。不明確な目標や遅れがちな評価面談に対して不満を覚えても、失敗を過剰に恐れず、学習過程の一部と考えることが重要だ。 ■4. 価値観の相違が対立を生む Z世代は先行する世代と大きく異なる価値観を持ち、インクルーシブな環境や柔軟性、社会的意義を重視する。従来の上下関係や安定を重んじる職場文化と衝突する場合があり、これが生産性やチームワークに影響することがある。 例えば、繁忙期にZ世代の従業員がメンタルヘルスのための休暇を希望した結果、同僚に追加の負担がかかって不満が高まるといったケースが典型的だ。Z世代は一貫してワークライフバランスを追求しており、それ自体は正当な要求だが、リーダーがこのニーズに応えられないと退職意向につながる可能性が高い。 こうした世代間の溝を埋めるには、最初の段階で互いの役割や期待する成果を明確にし、相互尊重と協力体制を整えることが大切だ。そうすることで、Z世代の潜在能力を活かしつつ、職場から疎外しない仕組みを構築できる。