復興への願い込め 福島・信夫山のユズで世界が認めたマーマレード
信夫山(福島市)特産のユズを使ったマーマレードを福島県国見町山崎のジェラート店「Gela319(ジェラサンイチキュウ)」が開発した。同店は英国で毎年開催されるマーマレードの世界大会に今春初めて出品して最高賞に輝いており、その技術でかつての名物の復活を後押しする。22日には市内で50個を限定販売する。 【写真特集】あなたの住む場所のご当地グルメは? 福島市は地球温暖化が進む前は「北限のユズ」の産地として有名だったが、東京電力福島第1原発事故を受けて出荷停止となっていた。2022年3月に解除されたが、信夫山のユズ生産者は数軒に減り、今も風評被害に悩まされている。 同店の斎藤礼奈店長(40)と阿部杏奈さん(32)は、斎藤さんの義祖父が福島市内で栽培していたユズでマーマレードを作ったところ、好評だったため商品化。今春の世界大会で、最高賞を受賞したシークワーサーとともにユズも金賞を受けた。 信夫山のユズが復活したことから「復興を応援するためにも使いたい」と、曳地清明さん(67)が無農薬栽培するユズを仕入れた。信夫山のユズは香りや酸味が強く、皮は硬くて味わいが深いといい、「従来と作り方を180度変えて、信夫山のユズの味を最大限引き出す」レシピを編み出した。 135ミリリットル入り1100円。22日は午前10時~午後3時、信夫山中腹の休憩所「古民家西坂家」(福島市御山)で開催される「信夫山ねこまつり」で限定販売する。問い合わせはGela319(090・7078・3190)。【錦織祐一】