北海道警「被疑者ノート」持ち去り、道側が控訴断念…「違法」判決確定
北海道警が2021年に実子への監禁容疑で20歳代女性を逮捕(後に嫌疑不十分で不起訴)した際、女性が弁護人との接見内容を記していた「被疑者ノート」を一時的に持ち去ったのは違法だとして、道に計25万円の損害賠償を命じた札幌地裁の判決について、被告側が控訴を断念したことが分かった。原告の女性側も控訴しない方針で、期限の18日午前0時に判決が確定する。 【図表】一目でわかる…刑法犯認知件数と検挙率、こう推移している
3日の地裁判決は、留置管理の担当者が「破損箇所の補修」を理由にノートを15分間ほど留置場外に持ち出した点を「接見内容が知られるのではないかと原告女性を萎縮(いしゅく)させる対応で、黙秘権などの侵害に当たる」と認定。一方、道警が従来の運用に則してノート内の危険物の有無を確認したことや、原告側が「虚偽や威迫を用いた」と主張した取調官の言動については違法性を否定していた。
被告側の道警は控訴を見送った理由を明らかにしていないが、留置場の運営方法や取り調べ手法は「適法」とされた点を重視したとみられる。