<センバツ・頑張れ広陵!>支える人 応援団長 松本朱央さん(2年) 声出して力届ける /広島
センバツに挑む広陵の選手たちを最も近くで鼓舞するのは応援団だ。構成するのは、出場メンバーに入れなかった選手たち約60人。2月初旬からセンバツに向けて、自主的に応援練習をしている。 「かっ飛ばせ広陵」「フレーフレー広陵」。ある日の午後7時半ごろ、グラウンド脇に選手たちが集まり、大太鼓のリズムに合わせ応援歌を歌い出した。振り付けも交えながら声を張り上げた。 「思いっきり歌っていいから」と声をかけるのは団長の松本朱央(すおう)さん(2年)だ。団長についたきっかけは昨秋、ベンチ入りがかなわなかったことだ。「試合でプレーをするために広陵に来たのに」と母親に電話で伝えると「(ベンチに)入れない内は精いっぱいチームの力になれ」と言われた。その言葉をかみ締め、団長に立候補した。 コロナ禍で声出し応援が制限されていたことから「先輩たちから教えてもらった歌詞があやふや」といった苦労もある。リズムに合うよう自ら作詞するなど工夫を凝らす。全体での練習時間も1日約30分しかなく、就寝直前まで各自自室で振り付けに励む。 昨春のセンバツは「アルプスにいたのに吐きそうなほど緊張した。選手たちはもっと緊張しただろう」と振り返る。だから、大会では「全力で声を出して、緊張を和らげたい。グラウンド、アルプス関係なくチーム全員で勝利を目指す」と意気込んでいる。【安徳祐】