Zuora、日本市場向けにデータセンターを開設、ビッグローブが課金・請求システムの刷新で採用
サブスクリプションビジネスにおける収益化のためのプラットフォームを提供する米Zuoraは12日、日本における新規データセンターの稼働開始を発表した。このデータセンターにより、日本の「個人情報保護法(APPI)」をはじめとするデータ保護規制に対応するとともに、日本の顧客は国内データセンターに低遅延で接続可能となり、従来と比べて約30倍の速度向上が見込めるとしている。 また、ビッグローブ株式会社が課金・請求システムの刷新のために、Zuoraソリューションを採用したことを発表した。日本データセンター上でZuoraを利用する企業は、ビッグローブが日本で初の事例になるという。 ビッグローブは、インターネットなどのネットワークを利用した情報サービス提供および付帯・関連業務をサブスクリプションビジネスとしている。一方で、35年間の長きにわたって課金・請求システムを使用してきたことで、複雑化・老朽化が進み、システムの柔軟性、拡張性、スケーラビリティが不足することで、システム保守・運用コストの高止まりや、ビジネスニーズへの迅速な対応が困難な状態だったという。 そこで、ビッグローブは課金・請求システムのアーキテクチャについて抜本的な見直しに着手した。その中で、市場変化へ即座に対応するため、サブスクリプションビジネスにおける収益化のためのプラットフォームを提供する、Zuoraの採用を決定したという。 ビッグローブでは、課金・請求業務プロセスをZuoraにより一括で自動化することにより、運用プロセスを効率化するとともに、顧客のニーズに応じた多彩な決済方法にも柔軟に対応できるようになり、事業成長に合わせたシステムの拡張性を確保すると説明。また、ビッグローブがすでに利用しているCRMやERPと、国内でのZuoraの統合的な連携により、顧客に信頼性の高いサービスを提供し続けることが可能になるとしている。 また、Zuoraでは、5月に従量課金ソリューションを提供するTogaiの買収を完了しており、Zuoraのマネタイズスイートの一部として、グローバルの他の地域に続き、11月から日本国内でもTogai製品を提供開始すると発表した。 Togaiのローコードビルダーと開発者フレンドリーなインターフェイスを活用し、生のイベントデータの測定や評価を迅速に設定できるようになることで、Zuoraは開発者と財務チームの連携を強化し、従量課金モデルの導入、最適化を支援するとしている。
クラウド Watch,三柳 英樹