補正予算、参院で可決・成立 総額13.9兆円、能登の復興経費など
石破政権初めての総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算は17日、参院本会議で与党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。衆院で過半数に満たない少数与党の石破政権にとって最初の予算成立。与党としては維新や国民民主との連携を維持しながら、今後の国会運営に見通しをつけていきたい考えだ。 補正予算の一般会計総額は13兆9433億円。うち、物価高対策には3兆3897億円を計上し、住民税非課税世帯に給付金3万円を支給し、うち子育て世帯に子ども1人当たり2万円を加算する費用として4908億円を盛り込んだ。25年1月に再開する電気・ガス代補助金には3194億円、能登地域向けを含む災害復旧費用には6677億円を充てた。 財源は、24年度の税収上振れ分として、3兆8270億円を充てたが、歳入の約5割は6兆6900億円の国債を追加発行して賄い、財政悪化が進む。当初予算と合わせた一般会計総額は126兆5150億円。 石破茂首相は17日、24年度補正予算の成立を受け、「なるべく丁寧な説明に努め、また当を得た質問も多くいただいた。成立した上は、一日も早く執行し、国民の皆様のもとに届くように引き続き努力したい」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。 どの勢力も過半数を持たない「宙づり国会」で予算を可決するには野党の協力が不可欠。与党は所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げ方針で国民民主と合意した。教育無償化の協議でも維新と合意し、両党の賛成を取り付けた。 野党第1党の立憲民主党とも24年度当初予算の予備費から1000億円を能登地域の復旧・復興費用に充てる修正で合意し、採決環境を整えた。【村尾哲、内田帆ノ佳】