医者の“本気度”がアップする…!診察時に絶対尋ねたほうがいい「2つの質問」
内科で「真実が分からない」理由
予後と並んで大事なことをもう一つあげておきます。それは診断です。「え、そんな基本的なこと?」と思われましたか? 実は、医療の現場では診断を詰めきれないことはけっこうあるのです。 内科は、体の外から体の中に起きていることを推測しているだけですから、真実が分からないことがあります。 外科はどうでしょうか。外科の世界には「開けてみれば分かる」という言葉があります。そのため、外科では内科以上に診断があいまいなことがあるのです。緊急に開腹が必要だと判断できても、その原因を詰めきれないケースは確かに存在します。 私は医者としてまだ若い頃、尊敬する先輩から「医療で一番重要なのは診断だ」と教えてもらいました。ですから、「開けてみれば分かる」という発想は持っていません。
「診断は何ですか」のプレッシャー
私が日々クリニックで診療を行なっている中で、確かに診断に苦慮することはあります。そういうとき、患者家族は不安になって「原因は何でしょうか?」と尋ねてきます。これは、診断をはっきりしてほしいということでしょう。はっきりと答えられないこともあるし、大学病院などに紹介状を書いて精密検査を受けてもらうこともときどきあります。 でも、患者家族から「診断は何ですか」とプレッシャーをかけられれば、こっちも診療後に医学書を読んだり、仲間の医者に相談したりと、勉強ができます。したがって、患者さんはそうした質問を積極的に医者にするべきです。 絶対にすべき医師への質問とは「予後」と「診断」です。後者に関して答えはないかもしれませんが、医者もがんばって詰められるところまで詰めようと考えてくれます。 また予後に関しては、生存率の全国平均の数値と、その施設での数値の両方があるはずです。そうした数値の比較もこれからの治療の参考にしてください。 病気の軽重を問わず、「予後」を尋ねて未来の自分を診療してもらおう あいまいな診断をされたら、「診断」を尋ねて医者の頭を働かせよう ・・・・・ 【つづきを読む】『多くの日本人が誤解している…じつは盲腸の手術が「難しい」と外科医が語るワケ』
松永 正訓(小児外科医)