医者の“本気度”がアップする…!診察時に絶対尋ねたほうがいい「2つの質問」
予後を尋ねる「もうひとつの意味」
それからもう一つは、病期が分かれば予後が分かるということです。当然のことながら、ステージが早い段階であれば予後はいいわけだし、ステージが進めば予後は不良となります。 ただ、ステージだけで最終的な予後が決定されるわけではありません。病理検査でがん細胞の悪性度も非常に重要な予後因子になります。また最近では、がん遺伝子検査の結果が抗がん剤などの薬の効き方に密接に影響していることも知られています。 こうしたものをすべて組み合わせて、病気の予後が分かります。予後とは、ステージだけでは分からない「リスク分類」と言ってもいいでしょう。 ですから「診断はがんです」と最初に医者に言われた段階では、リスク分類上どこにいるのかはまだ明らかではありませんので、医者は具体的な予後の説明をすぐにはしません。 しかし「予後はどうですか」と質問することで、次にどういう検査が必要で、最終的にリスクがどの程度で、いつごろになれば平均的な予後も分かってきます、と医者から説明があるはずです。 そういう意味で、最初の段階で医者に予後を聞くのは「無茶振り」に近いのですが、私は聞くべきだと思います。その先の検査の流れが分かりますから。
医者と対話するきっかけに
予後を尋ねるというのは、がんのような重い病気のときだけに限ったことではありません。たとえば、風邪。風邪をひいてかかりつけの医者のところに行ったときも、この先の見通しに関して医者に質問してください。 風邪というのは、風邪ウイルスがのどや鼻に感染して炎症を作っている状態です。はっきり言って特効薬はありません。自然に治っていく病気です。 しかし100%自然治癒するかというとそうではありません。一部の子どもや高齢者では、風邪から肺炎に変化していきます。それは、人間の持っている免疫の力によります。免疫が下がれば、風邪ウイルスは勢力を増すのです。 ではどういう人が肺炎になるのか? これを知る方法はありません。未来を診療する方法はないのです。 たとえば、患者家族が「この風邪はこの先、どうなりますか?」と聞いたとしましょう。医者によっては「先のことは誰にも分からない」と言うかもしれません。 でも、いい医者であれば、肺炎にならないために、何に気をつければいいかを教えてくれます。答えは、「無理せず」「よく休み」「体を労り」「ゆっくりする」ことです。 開業医の医者に向かって「この風邪はいつ治りますか?」と尋ねるのは、これも「無茶振り」なんです。でもそこから対話が始まるはずです。重い病気でも日常の病気でも、患者さんの一番知りたい予後をまずは必ず聞くというのは、医師とのコミュニケーションの糸口として大変重要であると私は考えます。