血痕の色に関する証人尋問2日目 弁護側の証人「1年以上みそ漬けされた血痕に赤みが残ることはない」袴田巌さん再審公判
袴田事件の再審、やり直し裁判は、5点の衣類に付いた 血痕の色に関する証人尋問が、引き続き行われています。26日出廷した弁護側の証人は「1年以上みそ漬けされた血痕に赤みが残ることはない」と証言しました。 船引とわ記者: 「再審公判最大のヤマ場となる証人尋問2日目を迎えます。きょうは弁護側の請求した教授らが証言台に立ちます」 午前10時半ごろ袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)が弁護団とともに静岡地裁に入りました。 袴田巌さんは1966年、旧清水市でみそ会社専務一家4人を殺害したなどとして死刑が確定しています。 この再審では 事件から1年2カ月後にみそタンクの中から見つかった5点の衣類に付着した血痕に、赤みが残るかどうかが争われています。
和田佳代子記者
25日から検察側、弁護側双方が申請した法医学者らの証人尋問が行われています。 検察側の主尋問で久留米大学の神田芳郎教授は 赤みが残る可能性を指摘していました。 26日は弁護側が請求した旭川医科大学の清水恵子教授と奥田勝博准教授、そして北海道大学の石森浩一郎教授が証言しました。 和田佳代子記者: 「最初に証言した清水教授は1年以上味噌漬けにされた血痕に 赤みが残ることはないときっぱりと断言し、 その様子を袴田巌さんの姉ひで子さんは見守るようにじっと見つめていました」
清水教授
清水教授はみそタンクの中は低酸素状態とは認めつつ 「化学反応には十分な酸素量があった。弱酸性で塩分濃度が高い環境では赤血球の細胞膜が壊れやすく、内部で変性、分解、酸化様々な自然法則で赤い血液が黒褐色化する」と説明しました。
奥田准教授、石森教授
さらに奥田准教授、石森教授ともに「1年以上みそに漬かった血痕に赤みが残ることはない」と言い切りました。 奥田准教授は血痕が黒くなっていく過程をモニターで示し、「5点の衣類が入っていた麻袋に十分な酸素量がありタンクに入れられる前に空気と触れ合い酸化が進む」と述べました。 27日は証人尋問の最終日で25日と26日出廷した証人5人同時に尋問が行われる予定です。