【NHKマイルC】Storm Cat内包馬は下位人気でも活躍 ジャンタルマンタルは実績、血統面で文句なし
血統解説
・ジャンタルマンタル 母インディアマントゥアナは2018年レッドカーペットH(北米GⅢ、芝11F)の勝ち馬で、父Palace Malice(2013年ベルモントS)はアイアンバローズやジャスティンパレスの半兄。距離適性の幅も広く、手先が強いためダート適性も高そうな北米血統馬です。Deputy MinisterとStorm Catという本レースと特に相性の良い血を兼備し、ハイレベルな皐月賞で3着という実績も今回のメンバーでは最上位。実績、血統面ともに文句なしの一頭です。 ・アスコリピチェーノ 母母リッスンは2007年フィリーズマイル優勝馬で、母アスコルティのきょうだいにはタッチングスピーチやサトノルークスなどがいます。さらに、母はデインヒル系Danehill Dancer産駒で、繁殖牝馬としてはアスコルターレ(2021年マーガレットS)などスピードと早熟性に優れた産駒を多く輩出しています。 Deputy MinisterやStorm Catの血は持たないものの、ダイワメジャー産駒という点は高評価。特にDanzigとSadler's Wellsを併せ持つ形は2016年1着馬メジャーエンブレム、2020年2着馬レシステンシアと同じで、ダイワメジャー産駒の牝馬としては満点の配合形といえるのではないでしょうか。 ・ボンドガール 母コーステッドは2016年BCジュベナイルフィリーズターフの2着馬で、本馬の半兄にはダノンベルーガ(2022年共同通信杯)がいる良血馬です。アスコリピチェーノと同じダイワメジャー産駒の牝馬ですが、本馬は母が北米血脈主体のスピード馬で、NHKマイルCで好走したダイワメジャー産駒の牝馬と比較するとやや重厚さに欠く印象も。本馬にとっては高速馬場をスピードで押し切る競馬が理想でしょう。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大