GT争奪戦スタートか 阿部巨人 異例のライバル球団から"禁断の補強"へ 背景にある「危機感」「本気度」とは
今オフの目玉とされた阪神の主砲・大山悠輔がFA権行使を決断したことが分かった。 右の強打者として知られ、昨年日本一に輝いたチームでもフル出場を続けた。選球眼の良さも知られ、四球をしっかり選ぶなど状況に応じた働きも評価されている。 【動画】これぞ「絵になる4番」 大山悠輔の満月バックの確信弾をチェック 11月13日に球団公式XでもFA権行使の意向が伝えられ、大山は「プロ野球選手として初めて他球団からの評価を聞く機会を得られましたので、FA権を行使させていただく事にしました」としながら、「野球人生において、すごく大きな決断のタイミングだと思うので、慎重に時間をかけて考えさせていただきたいと思います」とコメントを残している。 そして、背番号3めぐってはライバル球団である巨人が獲得調査を進めているとされる。伝統の一戦を繰り広げるライバル球団へFA移籍となれば史上初のこととなる。 ただ一方の巨人も相当の危機感を持っていることは確かだ。 今季4季ぶりのリーグ優勝を果たしたが、課題であった投手力復活は果たしたが、注目されたのは貧打にもあった。9月25日のDeNA戦で今季20度目の完封負けを喫するなど、シーズン通して得点力の低さに悩まされた。 迎えたCSファイナルSでも6戦でわずか9得点と貧打が足を引っ張り、敗退。打線強化が今オフのテーマとなっていた。 大山は今季は130試合に出場し、打率「.259」、14本塁打、68打点。20年にはキャリアハイの28本塁打をマークするなど、右の強打者として存在感を示してきた。 巨人の右打者では主砲の岡本和真のメジャー希望が知られており、近未来チームに与える影響も考慮して、早めに手当していく必要もありそうだ。 同じく右打者で、勝負強い打撃で知られる坂本勇人も来季が37歳シーズンとなる。長年チームを支えてきた主軸も世代交代の時期を迎えているとあって、これから30台を迎え、プレイヤーとして脂の乗る大山に白羽の矢を立てても不思議ではない。 大山といえば、凡打でも一塁への全力疾走を欠かさないなど、フォア・ザ・チームの姿勢も光る。背中でチームを引っ張るタイプの主軸が加入することで、成長を期待する若手の多いチーム編成においても有形無形にプラス材料となりそうだ。 もちろん、藤川球児新監督にかわったばかりの阪神においても、長く争うライバル球団だけに主砲流出は避けたいところだろう。 15日から交渉が本格スタート、「大山争奪戦」の行方に今後は大きな注目が集まりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]