【上杉鷹山に学ぶ】5つが足りないだけで利益が激減? 単価向上の驚きの盲点とは
「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。 ※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。 ● 上杉鷹山の戦略に学ぶ 不足解消で単価を引き上げるステップ どのような方法で単価を上げるか決めたとしても、その実現に向けて不足しているものがあるはずです。 そこで、単価向上のために不足している点を明確にするステップが不可欠です。その際に「人」「モノ」「お金」「情報」「ノウハウ」という切り口で、不足している点を検討していくのが効果的です。 人の不足であれば、機能の追加に向けた「技術者」などが考えられます。上杉鷹山も米沢藩に絹織物業を立ち上げるにあたり、技術者が不足していたため、小千谷から職人を招き入れました。 ● 単価を上げるならまず確認 「不足リスト」の作り方と成功事例 モノの不足であれば、「製造設備」などが考えられます。ある商社では、商品の仲介に保管機能を加えることで単価向上を図りましたが、この場合には倉庫の拡充が必要となります。 お金は、人の採用やモノの導入に必要です。情報とノウハウは、何をするにしても必要となってきます。 このように、人・モノ・お金・情報・ノウハウの観点から不足しているものを、まずはシンプルに書き出していきましょう。 ● 単価向上は計画で決まる! 不足を埋めるアクションと成功する全社プロジェクト 単価向上の方針説明と不足している点を明確にしたうえで、次にアクションプラン(実施計画)を作成します。 不足している点を解消するアクションは、人であれば採用・育成ですし、モノであれば設備などの導入、お金であれば銀行や市場からの資金調達、情報・ノウハウは外部からの情報収集などがあります。 それぞれの不足を解消するための計画とともに、単価向上のためのアクションを起こしますが、これは全社横断的に各部署から人材を選りすぐり、プロジェクトチームを組んで進めることをおすすめします。 ● 現場が動かない理由とは? 単価向上を実現する経営者の役割と優先順位 単価向上は経営上の最優先課題になりますから、経営者自身がチームリーダーとなって進めなければなりません。 コンサルティングの現場でも感じることですが、経営幹部を含めた社員は、単価向上に向けたとり組みの必要性を感じながらも、目の前のことにいっぱいいっぱいで、こうした根本原因へのとり組みは後回しになりがちです。 これに対して単価向上に向けたとり組みの優先順位があがるようにメンバーを仕向けていくことは、経営者のリーダーシップの見せどころです。 実際には、単価向上は簡単なことではありませんが、成功すれば確実に利益の改善につながります。リーダーである経営者自身が全社を引っ張って実現しないといけません。 ● 商品単価向上のポイント 1. 単価向上のための方針を明確にする(加工・組み立て、機能・サービス追加など) 2. 実現に向けて不足している点を明確にする(人・モノ・お金・情報・ノウハウ) 3. 単価向上に向けたアクションプラン(実施計画)を作成して実行する ※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
増田賢作