【女子野球】ZENKOがヴィーナスリーグ初優勝、最終戦の西武は引退する元代表が活躍
◆ヴィーナスリーグ(3日、埼玉県川越市・尚美学園大グラウンド) 関東地区の女子硬式野球リーグ・ヴィーナスリーグが3日、埼玉県内で行われ、埼玉のクラブチーム・ZENKOがトップカテゴリーのリポビタン杯で初優勝を決めた。下部リーグの報知新聞社杯は全日程が終了、バンディッツ(山梨)の優勝が決まった。 リポビタン杯は巨人や西武ライオンズレディースなど12の大学、クラブ、企業チームが3回づつ総当たり。ZENKOは尚美学園大(埼玉)を延長タイブレークの末に4―3で破って28勝3敗1分の勝ち点85とし、16日の最終戦を待たずに優勝を決めた。 エースで主将の先発・田中露朝が初回に先制を許し、追う展開となったが最終回に同点に。延長8回2死二、三塁の好機に井福舞の当たりが相手の失策を誘った。田中は「私が良い流れを持って行くことが出来ませんでしたが、最後は野手が粘り強く点を取ってくださった」と喜び、中島梨紗監督は「(優勝がかかって)社員の方が多くかけつけたので選手に堅さはありましたが、最後の最後まであきらめずにやった結果。ほっとしました」と笑顔を見せた。 リーグ4位で終わった昨オフ、ライバルの巨人や西武、エイジェックなど強豪チームとの勝負どころをいかに落とさないかを重視し、配球などを研究して共有。「選手の、本気で勝ちたい気持ちが強くなり、練習での姿が変わった」と中島監督は振り返る。巨人とは6月2日の初戦を白星で飾るとそのまま3勝。2敗を喫していた西武には9月16日の3戦目でタイブレークの末に制して1勝2敗に、「あの1勝で優勝が見えてきた。みんながいないと勝てなかった」と田中はナインに感謝した。 全日程が終了していないが、これで上位は2位西武ライオンズレディース(勝ち点84)、3位巨人女子チーム(勝ち点75)、4位日大国際関係学部(勝ち点63)、5位エイジェック(勝ち点55)の順位が確定した。 一方、報知新聞社杯は10の大学、クラブ、企業チームが総当たり。この日のリーグ最終戦で首位争いをしていた新潟医療福祉大が全府中に敗れてバンディッツ、アグリ&ウェルネス大と7勝2敗で並び、総得失点差でバンディッツの優勝が決まった。 西武ライオンズレディースはこの日、最終戦の日大戦を8―0の5回コールド締め、28勝5敗の2位で終えた。女子プロ野球などでプレーし、引退を表明している元日本代表の山崎まり、磯崎由加里がチームでの最終試合。山崎はスタメン出場し4打数3安打1打点と活躍、「今日のために練習してきたので、いい終わり方ができました。まだ(引退の)実感はありませんが。今後は若い選手がやってくれると思います」と笑顔。思い出の詰まった母校・尚美学園大のマウンドで2回1安打と好投した磯崎も「懐かしい場所で、最後は楽しく投げられました。実感はありませんが、野球が楽しいうちに辞められるのは幸せ」と、すっきりとした顔でチームメートに胴上げされた。磯崎は9、10日に滋賀県で行われる東西オールスターにも参加する。
報知新聞社