オゾン技術核に社会課題解決へ エコデザイン 長倉広弥社長 埼玉活躍企業
環境に配慮したオゾンの技術を活用した製品の開発、製造を行うエコデザイン(小川町)。長倉広弥社長(42)は今後、さまざまな社会課題に総合的に取り組むグループ企業体制を構築したいと意気込む。 --創業のきっかけは 「原子力関係の研究者だった私の父であり現会長である長倉正昭が『20世紀の科学技術が起こしてきた矛盾を解決するのにもまた科学技術の進歩発展が必要である。当社は技術の会社として、環境に優しい技術を開発していこう』という純粋な思いで始めた会社となります。その思いを引き継ぎ、持続可能な社会に対して技術で貢献することを目的に事業を行っています」 --現在注力している事業内容や課題は 「オゾンという物質を利用するための装置メーカーとしての事業が売り上げの柱となっています。オゾンは酸素から作られ、脱臭や洗浄、殺菌などに強い作用を及ぼした後に酸素に戻るという環境に優しい機能性物質であり、その特性を生かした製品を開発しています。主なターゲットは、水処理や養殖といった分野から最先端の半導体工場まで多岐に渡ります。現在の売り上げの中で最も大きいのは半導体工場などエレクトロニクス向け製品となります」 ■長期発展のためには自社製品が必要 --今に至るご苦労は 「最初期は超臨界装置などの特殊な装置の設計開発を行う会社でしたが、2年ほどで資金が枯渇してしまいました。開発だけの会社というのは苦労の割に実入りが少ないことを実感しました。そこで、会社の長期発展のためには自社製品が必要ということで始めたのがオゾン関連装置となります。当社は理系的な技術に特化した会社ですが、社長である私自身は技術畑の出身ではありません。だからこそ、優秀な社員の力をいかに引き出すかという点に注力しています」 --新たに取り組みたい事業や目標は 「エレクトロニクス分野に売り上げが偏っていることが課題です。水処理や大規模脱臭などわかりやすい環境対策分野も伸ばしていきたいと考えています。最近は陸上養殖向け装置の問い合わせが増えています。生物を扱うのは面白い仕事と思っています。中長期的には、現在注力しているオゾンや技術にこだわらず、持続可能な社会の実現に向けてさまざまな社会課題に総合的に取り組むようなグループ企業体制を作りたいです」 ■持続可能な社会の実現に向けた貢献を