【40代、50代・上手に怒ってストレス減!】やってはいけない、家族への怒り方とは?
怒りを感じたとき、我慢することがアンガーマネジメントではない。その思いを上手に伝えることが大切だ。それにはどんなことに注意したらいいのだろうか? アンガーマネジメントコンサルタント・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんに伺った。
疲れて帰ったら、子どものものが部屋に散らかしっぱなし。夫は家事をまったくやらない。私ばかりがなぜこんなに働き、疲れているの? と思った瞬間に怒りが爆発! そんな経験はないだろうか? 「家庭内においても無駄に怒るだけでは、思ったように事は運ばないし、何より自分がさらに疲弊して、平穏な日々を送ることができません。怒りの感情は自分が考える『~すべき』が裏切られたときに、それを守るために生まれるので、それを我慢すればいいわけではありません(詳しくは《【40代、50代・上手に怒ってストレス減!】怒りに満ちた現代の日本で穏やかに暮らすアンガーマネジメントとは?》参照)。 ではどうしたらいいのだろう? 「アンガーマネジメントは“怒らないこと”を学ぶのが目的ではありません。怒ったほうがいいと判断したら、その“自分のリクエストを上手に伝える”ことが大切です」
怒る必要のあることとないことを分ける
そのポイントのひとつは、「その出来事は怒ることで変わるのか?」という観点だ。 「物事には『変えられる/変えられない』ことと、『重要/重要ではない』ことがあります。このふたつの軸で分類すると、手放すべき怒りが見えてきます。 ふたつの軸で考えると、怒りは4種類に分けられます。そのなかで『変えられる×重要』なら変える努力をするべきでしょう。一方で『変えられない×重要ではない』なら手放すほうが得策といえます。 特に過去のことはもう変えられません。夫の過去を持ち出してグチグチとつついたところで、何も変わりません。また、現在のことでも、例えば、自動車の運転中に渋滞にはまってしまったとします。その道を選んだ夫を責めても、その状態は変わりません。それより、その事実を受け入れて、違うルートを模索したほうが建設的です。 ここで使いがちなのが、『あなたは“いつも”そうなんだから~』といった言葉。この『いつも』ははたして本当に『いつも』でしょうか? ほかにも、『必ず』『絶対』もNGワードです。 『この前もそうだった~』というふうに過去のことを持ち出して、怒りを強調するのは逆効果です。『関係のないことで文句を言われた』と思われるだけで、本来のこちらのリクエストを通すことはできません。 怒るときの鉄則は『過去のことを持ち出さない』『その場で伝えること』です。これは子どもに対しても同様です。 そして重要なのは、その人の性格や習慣はなかなか変えられませんが、自分の接し方は変えられることです。そこを変える努力をするほうが、ずっと建設的といえます」