「地面師たち」は近くに存在する? 不動産取引における最新の詐欺手法や対処法を解説
詐欺被害を防ぐための安全に取引を進めるポイント
このような詐欺被害を防ぐには、どうすればよいのでしょうか。詐欺被害を防ぐための安全に取引を進めるポイントと、信頼できる業者の選び方を解説します。 知識と経験のある担当者を選ぶ まず、担当者の知識と経験が重要です。例えば、宅地建物取引士の資格を持っているかどうかは、最低限のチェックポイントです。その物件や取引形態に関する専門知識を持っているかも確認しましょう。 不動産取引に関する法律や制度は頻繁に変更されます。担当者が最新の情報を把握しているかどうかは、その人の専門性を測る良い指標となります。「新耐震と旧耐震」基準の違いや測量法の改正、最新の税制改正、対象エリアの市況などについて質問してみるのもよいでしょう。 会社の信頼性を確認する 担当者個人だけでなく、会社自体の信頼性も重要です。会社のウェブサイトでスタッフ紹介が丁寧に行われているか、経営者や社員の名前で検索してヒットするかなどをチェックしましょう。全く情報がない、あるいは悪評ばかりの場合は注意が必要です。 各段階で確認を怠らない 手続きの各段階で必要な確認を怠らないことが重要です。物件の内見は必ず行う、重要事項説明をしっかり聞く、登記簿を確認する―などです。「急いでいるから」「特別な案件だから」といった理由で、通常のプロセスを省略しようとする業者には要注意です。 また、「今日中に決めないと他の人に売れてしまう」「この特別価格は今だけ」といった、取引を急がせるような発言には要注意です。焦らされて冷静な判断ができなくなるのを避けるため、必要な時間はしっかりと確保しましょう。 疑問点はすぐに確認する 取引中に少しでも疑問に思ったことがあれば、すぐに確認することが大切です。「後で聞こう」と思っているうちに、取引が進んでしまうことがあります。小さな違和感も見逃さないようにしましょう。 複数の専門家に相談する 不動産取引は複雑で、一人の専門家だけでは全てをカバーできないことがあります。規模の大きな取引や大切な不動産の売買の場合は、必要に応じて、不動産業者だけでなく、弁護士、税理士、建築士などの専門家にも相談するのが賢明です。 【関連記事】>>「複数の専門家に相談する」のところに関連記事を入れる?土地売却の相談は誰にすればいい? 税理士や司法書士など売却の流れに沿って解説!
新しい詐欺の手口に警戒し、高い意識を持とう
「地面師たち」は、不動産取引の闇を鮮やかに描き出した素晴らしいドラマでした。現実の不動産取引における詐欺は、ドラマ同様に非常に複雑で巧妙です。 私たち不動産業者も、常に新しい詐欺の手口に警戒し、取引の安全性を高める努力を続けています。しかし、完璧な対策というものは存在しません。最終的には、取引に関わる全ての人々が高い意識を持ち、慎重に行動することが重要です。 不動産業界に身を置く者として、これからも皆様の大切な取引のお手伝いができることを願っています。安全で公正な不動産取引の実現に向けて、私たちも日々努力を重ねていく所存です。
高田一洋