国内動物園初!東山動植物園でメキシコウサギの赤ちゃんが誕生/愛知
名古屋市の東山動植物園は飼育しているメキシコウサギの繁殖に成功したことを、4月28日に発表した。世界的にも珍しく、国内の動物園では初となるベビーの誕生だ。 ◆名古屋市とメキシコ市の縁で来園したメキシコウサギ 過去には東京の上野動物園で飼育されていたことがあるメキシコウサギだが、現在国内で見られるのは東山動植物園のみ。今回出産した個体は昨年8月にメキシコ市のチャプルテペック動物園から来園した10頭のうちの1頭だ。2012年に名古屋市とメキシコ市が姉妹都市提携35周年を迎えたことを機に、東山動植物園とチャプルテペック動物園も姉妹動物園協定を締結。この協定に基づいてメキシコウサギが寄贈された。相性が良さそうなオスとメスを選んで昨年11月から同居させたところ、今年3月には獣医師が妊娠を診断。4月11日には出産が確認された。赤ちゃんは2頭生まれたが、1頭は死亡。もう1頭は順調に育っている。
◆絶滅危惧種に指定されている希少なウサギ メキシコウサギはメキシコ市近郊の高山地帯に生息する希少なウサギで、絶滅危惧種に指定されている。体長27~35cmと小さく、耳と尾がとても短いのが特徴。目は黒色、体毛は背部が灰褐色で、腹部は背部より少し淡い色になっている。出生時の推定で、赤ちゃん体長約7cm、体重20~30g。約1年で親と同じくらいの大きさに成長する。 ◆現地に近い環境での飼育 メキシコウサギの受け入れにあたって、東山動植物園では飼育第一係長を務める茶谷公一さんら職員を、チャプルテペック動物園へ派遣。飼育方法などを参考にし、サカトンと呼ばれる草を棲み家や餌として利用する生息地での環境を、東山動植物園でもできるだけ再現している。「現地に近い環境でストレスを軽減できたことが、繁殖の成功につながったのでは」と茶谷さんは語っている。 赤ちゃんは慎重に経過観察されており、公開時期は未定。