中国関連の仕組み商品、韓国の銀行・証券が不適切に販売-金融監督院
(ブルームバーグ): 韓国金融監督院(FSS)は11日、国内の大手銀行・証券会社の一部がリスクの高い中国関連の仕組み商品を個人投資家に不適切に販売していたさまざまな事例が見つかったと明らかにした。これら投資家の多くは退職者だったという。
問題の証券は、ハンセン中国企業株(H株)指数に連動する株価連動証券(ELS)と呼ばれる複雑な仕組み商品で、FSSによると、銀行5行と証券会社6社を対象とした調査で、コンプライアンスの不備と組織的な問題が明らかになった。同指数が現水準にとどまった場合、同ELSの今年の損失は5兆8000億ウォン(約6500億円)に上る見通しだとした。
FSSは、これら金融機関がどの程度の補償を顧客に対して行い、信頼回復にどれだけ取り組むかを考慮した上で、罰金などの追加措置を検討する方針だと説明した。
ELSの販売で規則違反や不正確な説明による売り込みがなかったかを調べるため、FSSは国民銀行や新韓銀行、未来アセット証券などの大手銀行や証券会社を対象に数カ月間にわたって調査を実施していた。
韓国、H株指数連動デリバティブ商品販売で銀行・証券を調査-報道
韓国の仕組み商品市場は世界最大級で、地元銀行などを通じて個人投資家に販売されている。こうした商品は特に退職者の間で人気がある。H株指数連動のELSは2021年に販売されたもので期間は3年。アカウントの約22%は現在、65歳以上が保有している。H株指数は当時、1万2000を上回っていたが、中国経済の成長を巡る懸念や米中両国の緊張の高まりで大きく下げ、先週末の終値は5656.72。
H株指数連動のELSの残高は昨年12月末時点で18兆8000億ウォン。今年1-2月で約1兆2000億ウォンの損失が出ているという。
原題:Korea Says Bankers Missold Risky China-Linked Notes to Retirees(抜粋)
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Youkyung Lee