大量返品に悩む業者…“返品率95%”のアパレルブランドも「独身の日」中国経済停滞で“異変”…消費行動にも変化
不動産市況は低迷…投資家の期待回復せず
「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。 堤キャスター: 恒例となった「独身の日」のセールですが、課題もあるようですね。 エコノミスト・崔真淑さん: 「独身の日」のセールはすっかり定着し、今では日本企業にとっても大きなビジネスチャンスの日となっていますが、VTRにあった「特典目当ての返品」が増えているという話は、かなり驚きました。それだけ、お財布事情が厳しい中国の方が増えているのかもしれません。 さらに、今年の独身の日のセールは通常とは違う運営をされているのをみても、中国経済の厳しさが見えてくると思います。 堤キャスター: 経済の停滞を背景に、セールの形が変わったということでしょうか。 エコノミスト・崔真淑さん: 2024年は大手各社が2023年と比べて、セールを10日ほど早めて開始しています。しかもセール期間は過去最長で、11月中旬まで約1カ月に渡って商戦を続けているんです。もはや、お祭りムードも薄くなり、景気減速の厳しさを表しているように思います。 もちろん中国政府もただ見守っているだけではなく、9月にこれまでにない広範囲な景気刺激策を発表しています。しかし、ネックの不動産市況回復に対する抜本的施策は出てこず、9月の最初の頃は中国株も上がり初めていましたが、10月以降は低迷しつつあります。それだけ、投資家が中国経済になかなか期待できないことを表していると思います。
地方債務問題で金融ショックのリスク拡大
堤キャスター: 中国経済の状況ですが、先行きはどうなるのでしょうか。 エコノミスト・崔真淑さん: 先行きを考える上で4つのポイントがあります。 イギリスの経済誌「エコノミスト」は、中国は、いま4つのDに苦しんでいると報道しています。デット=地方の債務、デモグラフィック=人口減少、デフレ、そしてドナルド・トランプ氏です。 特に目先で重要なのは、デット=中国の地方政府の債務で、一部では8兆ドルを超えるとも試算されています。これは、潜在的に中国による金融ショックのリスクが大きくなっていることを示しています。 もちろん、中国政府は地方債務対策を発表していますが、トランプ氏による影響を考えると、このまま持ち堪えられるのか、投資家は注目しています。 堤キャスター: 経済の先行きが不透明な中で、こういった恒例のセールは、市場に対する体力測定のような位置づけとなっているのかもしれませんね。 (「Live News α」11月11日放送分より)
Live News α
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