男子バレーはリオ五輪出場権を得るために逆襲できるか? 山本隆弘氏に聞く
――世界ランキング2位のポーランドが出直しの初戦では厳しくない? 「厳しいが絶対に勝てない相手ではない。ワールドカップでも勝てる試合展開を作った。何が通用して、何が悪かったかを確認して、チームでやるべきことを徹底すれば勝機はある。この2試合を見ていると連勝はしているが、いずれもフルセットにもつれ込んでいる。直前まで国内にリーグ戦があって、まだチームもまとまりきれていない。疲労も残っているのだろう。隙はある。重要なのは、第1セット。ここ2試合、そこが取れていないため、リズム、ペースをつかむのに苦労している」 ――最大のポイントはイラン戦? 「イランには絶対に負けられない。ワールドカップ後に、監督がラウル・ロサノ氏に交代した。ラウルは、ブロックとディフェンスの関係を構築できる人。アジア選手権で優勝したフリオ・ベラスコ監督の時代のチームに近いくらいのディフェンス力、組織力が戻ってきたように見える。イランには、ワールドカップで2-0から逆転負けしているが、その時の敗戦理由と、やらなければならない戦術はハッキリとしている。多少、嫌な感じは残っているからもしれないが、2セットを取った自信もあるだろう」 ――そのハッキリしている戦術とは? 「あの試合では、ミドルブロッカーのセイエドモハンマド・ムーサビエラギを捨てて、サイドをしっかりとマークしたことで主導権を握った。それが、この選手が100パーセントの決定率を残したため、3セット目からマークにつき始めたことで、それを逆に利用されてサイドを決められるような展開に変わった。 相手が先に戦術を変えてくるまで、そのままで良かったのかもしれない。今回もおそらくセイエドモハンマド・ムーサビエラギをうまく使ってくるだろう。なんとかしなければという気持ちになりがちだが、マークしている格好だけをしておき、サイドに張るブロックを怠らないことが必要。あのミドルブロッカーに惑わされないことが重要で、サーブでしっかりと攻めれば、的は絞りやすい。粘り負けしないように戦っていくことだ」