日本一の回転寿司職人を目指す…熱き戦い 接客審査では“意地悪なワナ”も
■若いがウデは確か…“秋田のダークホース”
回転寿司の大会には、秋田県からも参戦するお店があります。県内に2店舗を構える回転寿司店「太助寿司」です。 このお店の“若大将”永田昇さん(29)。大会出場は今年で4回目。“秋田のダークホース”です。 永田さん 「毎回プレッシャー感じるけど、今回は異常。プレッシャーがいつもより大きくなっている」 お客さんからも愛されています。 常連客 「(大会に)いつも出てるから『昇、がんばってこい』って。昇な、ババな」 「永田さんファンです」 永田さん 「ありがとうございます」 永田さんが大会に初めて出たのは22歳の時。それから7年、4回目の挑戦です。 板取孝昌店長(58) 「(Q.貫禄が出てきましたね)貫禄というより、ただ太っただけ」 店長の板取さんは、永田さんの師匠です。 高校卒業後、師匠に育ててもらった永田さん。2回目に出場した大会では、技術部門1位を獲得しています。 板取店長 「5分11秒」 永田さん 「5分切りそうな勢いではある」 板取店長 「切れるね、5分。5分以下の25点、大きいですもんね」 「若いけどウデは確か」と、師匠も太鼓判をおしていますが…。 板取店長 「問題は“演出部門”ですね。彼が苦手としているところですね」 接客を披露する「演出部門」では、予期せぬ事態への対応力も採点されます。 板取店長 「こればっかりは練習したらできるとか、そういうもんじゃないですからね。常日頃どういう仕事をしてるかが当日出ると思う」 大会ではお寿司の知識も問われるため、師匠は永田さんに様々な経験をさせています。 回転寿司店では、板場の職人が仕入れの現場を見ることは稀です。 永田さん 「(Q.選手権でも知識が生きる?)生きると思います。実際に見たりしているので」 師匠にとって愛弟子の優勝は悲願です。この後、“秋田のダークホース”が波乱を巻き起こします。
■“がってんパパ”に…初代王者が助言
一方こちらは、大手回転寿司チェーン「磯のがってん寿司」。がってん寿司グループは、全国に77店舗を展開しています。 新鮮さにこだわるこのお店。旬のアジをその場でさばく「泳ぎアジ」。生きたアワビを丸ごとのせた軍艦もあります。あまりの活きのよさに、お客さんもビックリです。 常連客 「逃げて、ここまで来ちゃった」 がってん寿司グループは、第1回、第2回の大会を連覇したものの、近年はあと一歩のところで優勝を逃しています。 そこで今回、およそ300人の社員の中から白羽の矢が立ったのが「磯のがってん寿司 柏増尾台店」の店長・大栗祐人さん(34)。大栗さんは3人の女の子を持つ“がってんパパ”です。 大栗さん 「大会で日本一になって、存在感のあるパパに」 妻・千菜美さん 「(Q.存在感が薄れていますか?)否めないですね」 優勝すれば昇進の可能性も。子どもたちに一目置かれる“がってんパパ”を目指します。 そんな、大栗さんに試練が…。全国の店長が集まる「店長会」で、腕前を披露することになったのです。 初代チャンピオン 柳澤竜夫さん(48) 「だいぶ仕上がったの?」 大栗さん 「はい」 第1回大会のチャンピオンです。80人の店長が見守るなか、本番さながらの実演が始まりました。 大栗さんの課題は、寿司の重さが安定しないこと。大会では、マグロ2貫で68グラム。サーモンは2貫66グラムと決められています。 重さがピッタリなら3点が加算されますが、なかなかピッタリが出ません。 柳澤さん 「今のままじゃ勝てない。間違いなく」 でも、こんなアドバイスが。 柳澤さん 「柵が高い(厚い)んじゃないか。もし、こういう柵しか残ってなかったら、半分に割ったほうがグラムの調整はしやすい」 魚の柵が厚いままだと、素早く均一のネタを切り出すのが難しくなるので、一度薄くしたほうが良いといいます。 大栗さん 「ありがたいです。言ってもらって。自分で気が付けなかったり細かいところが気付けたので。がってん承知。がってん承知」