度肝を抜かれたソフトバンク160キロ豪腕の快投 モデルチェンジの裏に〝丁寧〟
◆記者コラム・タカ番24時 度肝を抜かれた。5日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)で7回にソフトバンクの杉山一樹投手(26)が見せた投球だ。わずか8球で三者凡退、特に岡島には3球続けて155キロの速球を投じ、空振り三振を奪った。いずれもストライクゾーン。かつて制球に苦しんだ投手とは思えなかった。 ■「えーっ!ラブラブですやん」柳田が夫人と2ショット【写真】 2イニング目となった8回は無失点も、連続四球などで満塁のピンチを招いてしまった。杉山は「信頼を勝ち取らないといけない中で、2イニング目も続けられたら(評価が上がる)と欲が出た」と反省する。ただ同時に「でも、今まで思うことはなかった」とも。さらなる高みを目指せる。欲こそ自信が付いた何よりの証拠だった。 昨季はプロ入り後初めて1軍登板なし。今年は救援で勝負することを決め、好調をキープする。その裏には今年から改めたことがあった。「丁寧に生きようと思っていて」。大柄でワイルドな風貌が特徴。ずぼらな性格と認める。そんな男が連絡にもまめに返信するなど、私生活面も含めた生き方からモデルチェンジを図った。 理由は「それは野球にも必要なこと」。試合前の準備でも、抜かりなく一つずつこなして不安をなくす。「それで結果が出なかったら悔いはないくらいにしている」。試合中は「無」の心境がここまでの投球を支えている。 杉山は「もっと緊迫した場面でも投げたい」とさらなる高みを見据える。丁寧に最速160キロの剛速球を操る彼の成長に今後も目が離せない。(鬼塚淳乃介)
西日本新聞社