箱根駅伝 青山学院大学・若林宏樹、ラストラン3度目の山登りで念願の区間賞、逆転「最高に気持ち良かった」
◇2日 箱根駅伝・往路 連覇が懸かる青学大が、2年連続7度目の往路優勝。5区間で5時間20分01秒は、往路新記録を塗り替えた前回に次ぐ歴代2位のタイムだった。出雲駅伝と全日本大学駅伝を制して「3冠」に挑戦する国学院大、前回2位の駒大とともに”3冠”という前評判だった中、ライバルに3分以上の大差をつけて圧倒。最多の98度目出場の中大が2位、次いで94度目出場の早大が3位と「打倒3強」を掲げる伝統校が健闘した。 前回王者が強さを見せた。青学大の5区・若林宏樹が小田原中継所で45秒前にいた中大を10キロ手前の上り坂で抜き、初めて先頭に立った。2位中大に1分47秒差をつける区間新記録の快走で、両手を突き上げて笑顔でフィニッシュ。初めて総合優勝した2015年以来となる5区での逆転劇だった。 原晋監督(57)は「若林の5キロ付近で(先頭と)10秒くらい縮まって、勝てると確信した」と納得の笑みを浮かべた。 波乱の幕開けだった。中大の吉居駿恭がスタート直後に飛び出した1区は、宇田川瞬矢がラストスパートで後れを取って10位。ここで2区の黒田朝日がカバーした。従来の区間記録を上回る好タイムの区間3位で、3位に押し上げた。3位で4区へ渡った平塚中継所ではトップと2分24秒差。優勝争いの「デッドゾーン」というタイム差で4区太田蒼生が区間賞で45秒差に詰め寄り、山登りの5区勝負に持ち込んだ。 大学で陸上競技に区切りをつける若林は、3度目の山登りで念願の区間賞を獲得。「最高に気持ち良かった。この箱根駅伝が競技生活の中で最後になるので、存分に楽しんでやろうと思っていた」と自らのラストランに花を添えた。 初優勝から10年間で7度の総合優勝を果たした青学大。これまで往路を制した6大会は全て総合優勝につなげた。前回大手町で歓喜の輪をつくった後、「1年後、大手町で笑おう」と始動したチーム。4区、5区の連続区間賞で勢いはついた。復路でもフレッシュグリーンのたすきを先頭で運び、大手町で笑う準備はできている。
中日スポーツ