人混みと無縁で家の中に篭りきりな正月、編み物にどハマりした
「新年あけましておめでとうございます」と言いながら、1月も3分の1が過ぎた訳ですが、あっという間に正月休みが明けました。おめでとうございます。 【この記事に関する別の画像を見る】 今年はカレンダーの並びがよく、私も9連休という長いお休みを過ごした。快適すぎる日々に感動しすぎて、最終日の鬱々とした顔ったら情けないものだった。冬の朝に暖かいお布団から出たくないなーって気持ちと同じように「正月から抜けたくないなー」って気分(笑)。とはいえ、そろそろ正気に、俗世に戻らねばならぬのであります(笑)。 私の今年の正月休みは、喜ぶべきか悲しむべきか、仕事もまーったくなく、いつもの寝正月。食っちゃ寝、飲んじゃ寝、そして今年は「編んじゃ寝」が加わった。 きっかけは12月上旬。自分へのクリスマスプレゼントを探しながら「今年の正月休みは長いからなぁ。何しよう」と考えている時に見つけてしまった家庭用編み機「あみむめも」である。 編み物は昔から母もやっていたし、私も幼い頃から母の道具をはちゃめちゃに使い倒して遊んでいたので、縁遠くはない。ニットワンピースや1990年代に流行った模様がたくさん入ったカウチンセーターなるものを編んだこともある(懐かしすぎて恥ずかしい)。 手芸や工作は大好きだから、大人になってからも時々「久しぶりに編み物でもやろうかなぁ」なんて思ってやってみたこともあったけれど、そこそこ忙しく過ごしていたのと、飽きっぽい性格のせいで、ちゃんと編み上げる時間も根性もなく、手袋を片方編んだ時点で飽きてしまう……なんてことも、1度や2度ではない。 そんな私だけれど、長い連休と編み機の誘惑に、一気に編み物やりたい欲に火がついたのだ。手編みは時間もかかるし、肩も凝るし、やめ時も分からず寝食忘れて編み物をしてしまい、それに疲れてパッと飽きてしまう。しかし編み機ならサクサク作れて楽しくて仕方がないんじゃないだろうか。心が踊る。 「今、これがめっちゃ欲しい」みたいなことをSNSで呟くと、私と同年代以上の人は「めっちゃ懐かしい!」という反応だった。私の母はずっと手編みだったので私は知らなかったが、家庭用編み機がものすごく流行った時期があったらしい。まさに私の幼少時代の1980年代だ。 昔は各家庭で洋服やセーターを編んでいたけれど、段々既製品に押され需要も減り、編み機を作るメーカーも編み機事業から撤退・廃業したりと、今では昔の代物になってしまったらしいのだ。もちろん「これ欲しい!」となったように、今も販売はされている。 自分の飽きっぽさを知っているので、買うのを躊躇していたのだけど、友人から「昔のだったらありますよ。使いますか?」と、思わず「嘘でしょ?」と声を出してしまうようなびっくり嬉しいお声がけをいただき、あれよあれよという間に我が家に家庭用編み機「あみむめも」がやってきたのであーる。 12月上旬に素敵なサンタさんが運んできてくれた編み機。イメトレは完璧だったので、経年劣化するパーツの交換が必要なことは予習済み。パーツ販売や修理などしてくれる会社に連絡し、必要なパーツを購入してメンテナンスし、元々保存状態も非常に良かったのでまさにピカピカ新品状態になった! 頂き物というありがたみと、自分でメンテナンスすることによって愛着がかなり増した。 「編み機」といっても、電気を通すような機械ではなく、アナログな仕組みのものだから、30年前のものも現行のものも、基本の機能はほぼ変わらない。最新のガジェットや家電なども大好きだけれど、こんなふうに何十年と変わらず廃れない技術って、なんともグッとくるものだ。ものすごい仕組みだ。 現在機械編み自体があまり使われていないので、ちょうど良い初心者向けの書籍などもないのだけど、基本的な操作は付属の取扱説明書を読めば分かるし、応用というか実際使っていて沸いてくる疑問などの解消に1番頼れたのはYouTubeだった。 ただ私は元々動画を見るのがとても苦手。テキスト世代というのもあるけれど、とにかくせっかちだし、常に「ながら人間」なので、目も耳も意識も全部持っていかれる動画をじっくり見るのがあまり得意ではないのだ(根っからの落ち着きのなさ)。 1本数十分の動画をじっくり腰を据えて見るのがものすごくストレスだったけど、我慢した甲斐もあり、ものすごく為になった!!! 仕組みも分かったし、コツも掴んだ気がしたところで年末休みに突入。ウォーミングアップは十分に、あとは本番。連休編み物合宿である。 そんなわけで、今年の年末年始は夫がおせちをつまみながら駅伝に夢中になっている横で、ガチャコーン、ガチャコーンと私が編み物をするという、なんともシュールな光景が広がっていた我が家。お互いが好きなように自由に時間を過ごすことができるという平和な証拠でもある。 私はもう、恩返しを忘れた鶴と呼ばれるくらいにめちゃくちゃ夢中で編みまくったけれど、思っていたようには捗らなかった。初心者ゆえに失敗のリカバリに時間がかかりすぎたことと、予定に入れ忘れていた二日酔いの影響のダブル要因が響いたのだ(笑)。それでもバッグやハンドウォーマーやマフラーに靴下など、手編みだったらたどり着けないくらいに、いろいろ作れるのがとても楽しい。 100円ショップで買った方眼紙に模様を描いてそれを編み上げたりと、編むだけじゃなくて頭もそこそこ使ったので、気分はもう大作家先生! 熱し易く冷め易い、極めて飽きっぽい私だけれど、私の根本ど真ん中にある「ものを作ることが好き」という部分は間違いないなとしみじみ思った2025年のスタートとなった。 編み機が楽しすぎてまだしばらくは飽きそうにないし、お正月についユザワヤの毛糸の福袋を買ってしまい、材料はたっくさんあるので、隙間時間を使ってしばらくはガシャコンガシャコンと編み物にハマりたいと思うのであります。
家電 Watch,徳王 美智子