原種シクラメンの楽しみ方応用編。もっとナチュラルに楽しむためにはレイズドベッドがおすすめ。【趣味の園芸12月号こぼれ話・後編】
久山さんの自宅にあるレイズドベッド。よく見ると鉢で管理している。原種シクラメンのヘデリフォリウムとスノードロップ(ガランサス)を合わせている。
編:いいことだらけですね!ちなみに原種シクラメンに合わせるのにおすすめの植物はありますか? 久:シクラメンの生育を邪魔しない組み合わせの植物選びが大切です。大きくなりすぎて陰になってしまう、株が大きく成長するなどでシクラメンに悪影響を与えないおとなしい植物を選びます。 また草丈も20cm程度の植物が箱庭風になり組み合わせやすいです。たとえばアカエゾマツ(八房)、ヘレボルス・ボッコネイ、イリス・クリスタタ、ケスハマソウなど小型種で競争をしない種類と合わせるのがおすすめです。
久:そしてシクラメンは、夏に乾燥する地帯に自生する植物なので、同じ地帯の植物が自然と合わせやすいです。例えば原種チューリップなどがそうです。 ただし夏には休眠して地上部がなくなるので、夏に花が咲く植物と合わせると年中楽しめるようになります。鉢植えで管理しているなら、レイズドベッドから外してしまうのもありです。 編:これで原種シクラメンをもっとかわいく楽しめそうです。ありがとうございました! 久山 敦(くやま・あつし) ナチュラリスト 大学卒業後英国王立キュー植物園に留学。1982年から淡路ファームパークの設計、管理。大阪市の植物園「咲くやこの花館」では2007年から15年間館長を務めた。世界の植物を求めて52か国を訪問。昨年4~6月は欧州19か国の花の巡礼へ。原種シクラメンが自生する姿も観察してきた。 ●ウェブだけで読める! 趣味の園芸テキストこぼれ話 『趣味の園芸』編集部によるテキストこぼれ話。最新号の特集や記事に関連して、誌面で紹介しきれなかった情報をウェブ限定でお届けします。