米カーライル、日本特化の5号ファンドで4300億円を調達-近く発表へ
(ブルームバーグ): 米投資ファンド、カーライル・グループが日本に特化した新ファンドで4300億円の資金を集めたことが21日、分かった。近く発表する。調達額は前回を約7割上回る。事業承継、企業の事業売却、非公開化などに焦点を当て、国内企業の価値向上を目指す。
ブルームバーグが入手したカーライルの発表資料によると、新ファンド「カーライル・ジャパン・パートナーズV」は日本に特化したバイアウトファンドの第5号に当たり、国内外の投資家から出資確約(コミットメント)も含めて計4300億円を集めた。
世界的にプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドの資金調達環境が悪化しているにもかかわらず、投資家の日本への関心が高まっていることを示した形だ。
4号ファンド(2580億円)から規模を拡大、注力分野であるテクノロジー・メディア・通信(TMT)、消費財、小売り、ヘルスケアなどへ投資する戦略を踏襲する。
PEファンドは長年日本で苦戦を強いられてきたが、企業が株主価値の向上を迫られる中で、東芝、日立製作所などの大企業がこぞって事業売却先に選ぶなど、今や企業の変革を促す重要な選択肢の一つとなりつつある。
資料によると、カーライルは2000年以降、日本で約40件のPE投資を実行。直近では今月20日、日本KFCホールディングス株を公開買い付け(TOB)で取得することを公表した。
カーライルの広報担当者によると、案件拡大期待から同ファンドは今年、日本拠点で9人の専門人材の採用を目指しており、現在までに半数程度を確保したという。
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--取材協力:Dawn Lim、谷口崇子.
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Lisa Du