マイクロソフト「Copilot+PC」の本命機能を試した。「行動履歴記録」を調べるAIの実用性
マイクロソフトは6月から、AIを活用したPCである「Copilot+PC」を規格化、PCメーカーやプロセッサーメーカーとともに推進している。 【全画像をみる】マイクロソフト「Copilot+PC」の本命機能を試した。「行動履歴記録」を調べるAIの実用性 ただ、Copilot+PCには中核となる機能が欠けていた。それがユーザーのPC上での行動を記録して後から検索できる「リコール(Recall)」だ。 本来は6月に公開されている予定だったがプライバシーに関する指摘で延期が続き、ようやく11月末からテスト公開が始まっている。 「利用者の記憶を助け、作業効率を上げる」という触れ込みのリコールは、実際どんな機能になったのだろうか?
6月提供予定がずれ込み、11月末からようやくテスト開始
まずCopilot+ PCとはなにかを振り返っておこう。 冒頭で述べたように、Copilot+PCはマイクロソフトが策定した「AIを活用するPC」の規格だ。 機器内でAIの推論する「オンデバイスAI」を重視しており、オンデバイスAI処理を行う「NPU」として、一定以上の性能を持つプロセッサーなどを採用した製品のみがCopilot+PCを名乗れる。 現状では「インテル」「AMD」「クアルコム」3社のプロセッサーを使い、以下の条件を満たす製品がCopilot+PC、ということになっている。 40TOPS(Tera Operations Per Second:1秒間に実行できる正数演算の数。1TOPSだと1兆回)以上の処理能力を持つNPUを備えたプロセッサーを採用。 16GB以上のメインメモリーを搭載。 256GB以上のストレージを搭載。 ただ現状、Copilot+ PCの機能実装も、クアルコム向け(ARMアーキテクチャ)とインテルとAMD(x86アーキテクチャ)向けでは異なっている。 具体的に言えば、今回テーマになる「リコール」は、11月末現在、クアルコム向けでのみ提供中。 インテル・AMD向けについては、「Copilot+PC関連機能について12月にアップデートで提供が行われる」とされているが、そこにリコールが含まれるのか、定かではない。 そのため今回は、Snapdragon X Eliteを搭載した、マイクロソフトの「Surface Pro(第11世代)」でテストした。