寄付や逮捕でたびたび注目、サウジアラビアの王子はいったい何人いるの?
王子の数は?
さて、王族(サウード家)の人数であるが、これは、公表されているわけではないので、正確にはわかっていない。そもそも、この国では、歴代国王の生年月日すらはっきりしないのだ。 しかし、初代国王の息子だけで、36人から50人近くいたとされている(なお、ここでは王女は数に入れていない)。ちなみにサウジアラビアではイスラーム法が適用されているので、一夫多妻制をとっており、男性は4人まで妻を持つことができる。ただし、「4人」というのは「一度に」持つことができる人数であり、結婚離婚を繰り返していれば、原理的に何人でも妻を持てるし、正式な結婚手続きを経ない「側室」なら、何人持ってもいいことになる。これがサウジアラビアで王子が多い理由である。なお、アブドゥルアジーズの妻の数も正確にはわからないが、サウジの報道では、30人というのがある。 法的にいうと、このアブドゥルアジーズの息子たちの系統にのみ、王位継承権がある。現在は、第7代サルマーン現国王まで、初代国王の息子たち(第2世代)が兄から弟へと王位を継いでいる。現皇太子は国王の甥で、初代国王の孫にあたる。つまり、アブドゥルアジーズの死後半世紀以上経過して、はじめて第3世代に王位が移ることになったわけだ。 第2世代はすでに現国王を除けば、政治の表舞台から姿を消しており、活動の中心は第3世代から第4世代となっている。第2世代王子の数が50人弱、もちろんその全員が50人もの息子を残しているわけではないが、第2代国王サウードには50人以上の息子がいたことが知られている。 以下、歴代国王の息子の数を数えてみると、ファイサル第3代国王は9人、ハーリド第4代国王6人、ファハド第5代国王9人、アブダッラー第6代国王15人、そしてサルマーン現国王も12人の子だくさんだ。 単純計算だが、第2世代の王子の数を50人として、その全員が5人の子どもをもったとすると、第3世代王子の数は250人、さらに彼らが5人の子どもをもつと、第4世代は1250人、さらにその下は5000人というぐあいに、ネズミ算式に増えていく。これは、アブドゥルアジーズ直系の男子だけであり、王女や傍系の王子は含まれていない。