奄美で現地調査開始 辺野古埋め立て用土砂 沖縄防衛局
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事に必要となる埋め立て用土砂の確保に向け、防衛省が鹿児島県奄美大島で計画している現地調査で、沖縄防衛局は19日、調達業務を受注した業者による現地調査を「すでに開始している」と明らかにした。調査日程や調査地は「答えられない」としている。 鹿児島県などによると、調査候補地は採石法に基づき稼働中の採石場7カ所で、内訳は龍郷町3カ所、奄美市住用町2カ所、大和村と瀬戸内町各1カ所。土砂を島外へ運び出す搬出港も調査対象となり、特定外来生物の有無などを調べるとみられる。 県大島支庁瀬戸内事務所によると、県が管理する瀬戸内町の古仁屋港須手地区で、外来生物の調査を行うための港の使用申請書が17日に提出されており、19日午後3時時点で申請内容の審査中となっている。奄美市住用町、大和村、瀬戸内町、龍郷町が管理する港については、各自治体担当者によると19日午後2時時点で、環境調査を行うための各港湾の使用申請書などは提出されていない。 塩田康一知事は8月、「法令に適切に従っているということであれば、反対することではない」と述べ、奄美大島が調達先に決まった際は県として容認する考えを示した。 一方、奄美ブロック護憲平和フォーラム(関誠之代表)、辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会(阿部悦子、大谷正穂共同代表)などは、奄美大島からの土砂搬出に反対の意思を表明。「代執行で国が承認した設計変更申請では、奄美大島の採石場8カ所(龍郷4、住用2、瀬戸内2)から合計で1190万立方メートル(大型ダンプトラック約250万台分)にも及ぶ膨大な土砂調達が可能とされている。採石行為による環境破壊は許されない」として、国や県、奄美大島の4市町村に対し調査日程や調査報告書の公表などを求める要望書を提出している。