【速報】京都の冬の味覚「千枚漬け」の仕込み本格化 伝統の手作業、専用の包丁かんなで「シャッシャッ」
京都の冬の味覚「千枚漬け」の漬け込みが本格化している。立冬の7日、京都市内の漬物会社では手作業による伝統製法が公開され、法被姿の漬物職人たちが真っ白な聖護院かぶを鮮やかな手つきで薄切りにし、たるに積み上げていった。 【写真】手際よく千枚漬けを漬け込む職人たち 千枚漬けは9月から4月にかけて作られる。京野菜の聖護院かぶは秋の深まりとともに甘みを増すため、京都特有の底冷えが始まる立冬のころから漬け込まれたものが最良とされる。 大安本店(左京区)の会場では、皮をむいたかぶを、職人が専用の包丁かんなで「シャッシャッ」と音を響かせながら、味ののりや歯切れがよい2・6ミリの厚さに削った。円を描くように樽の中に何十にも積みあげ、一段ごとに塩を振りかけた。塩の下漬けの後、昆布と特製の調味液で上漬けをして6日間で完成する。 今年は猛暑の影響で9~10月上旬の収穫量が半分に落ち込んだが、徐々に生産は安定してきており、シーズン中に約8万個を仕込む見込み。大角安史社長は「農家さんの努力で、良いかぶが届いている。伝統のおいしさをぜひ味わってほしい」と話した。 京都地方気象台によると、7日朝の市内の最低気温は平年より1・8度高い11・8度だった。